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 [雑記]

健康と電気代は天秤にかけられない。

・プロフェッショナル
少年よ、プロになれ。

・猫と熊
パンダではない。

・今週の読書
いつものアレ。

・今週の進捗
絵の話。いつものアレ。

ほいではどん。


・プロフェッショナル
趣味の世界では「始めるのに『遅い』は無い、やりたいと思ったらいつでも始めていい」と言いますし、それは事実。肉体を酷使するスポーツだったりすると「遅い」はあるかもしれませんが、それでも体に合わせて強度を抑えれば大体のことはできます。それで満足できるかというとまた微妙な話になってはくるのですが、考え方次第といったところ。

しかしですね、プロとなると話は別です。肉体系以外のことであれば年を取ってからでも挑めるんですけど、人間には寿命があり、年を取ったということは残り時間が少ないのです。そして、プロになるには時間が掛かるので、足りなくなる恐れがあります。ということはやはり、プロになるならば「始めるのに『遅い』はある」ということになります。

そして何より、プロになるほども好きなことであるならば残り時間が少ないことは後悔に繋がる可能性が高いです。あの葛飾北斎でさえ90歳で死ぬ間際に「あと10年…5年生き長らえたら本物の絵描きになれたのに」と言ったといわれており、やはりプロであればあるほど修練を積む時間の短さというのが心残となって行くのではなかろうかと。あと、若い頃から同じ道を歩んで来た人に嫉妬したり、なんやかんやと精神をやられるので結構アレです。

であるからして、可能な限り早くからその道に進んだ方が良いと思うのです。もちろん、出会えるかどうかは運命によるところなので、出会うのが遅かったら仕方がありません。だからこそ、若い内に出会えるように色々と経験しておきたいですね。


仮に大卒でソレを仕事として生きて行きたいとするならば12歳ぐらいまで、つまり小学校を卒業するぐらいまでには始めておきたいんじゃないでしょうか。「1万時間の法則」が正しいとは言いませんが、やっぱりそれぐらいの練習はしたいじゃないですか。であれば、1日3時間で1年1,000時間なので10年掛かるよねって話です。

もちろん分野にもよりますし、練習方法や練習態度によっても大きく変わるので、早ければ3,000時間でもプロになれる人はいますし、逆に1万時間やっても全然ダメな人もいるでしょうが、早くから取り組めばダメだった場合に別の道を模索することもできるので、その点でも有利です。遅くから始めてしまうと退路が無くなりますからね。

他にも理由があって、中学ならまだOKかもしれませんが、高校以降で始めようとするとやること・やれることが多過ぎて十分な練習時間を確保できなくなる可能性が高いですよね。勉強やバイト、友達付き合いで時間が過ぎて道を見つけることもできず、学歴のために大して興味の無い大学へ進み、学んだこととは全く関係無い職業に就く人が多いでしょう。

高校・大学でその道と出会って、強い意志を持って練習に励み、大成した人だってもちろんいるんですが、若い頃に出会った人と比べるとかなりハードモードなので出来れば避けたいところではあります。早ければ楽って訳じゃないですが、遅いのは確実に辛い。

要注意なのが楽器ですよね。ピアノは3歳、ヴァイオリンは5歳までに始めないと無理という神話もありますが、ぶっちゃけ「それぐらい難しいよ」ってだけであって10歳ぐらいから始めてプロになっている人もいます。そうは言っても幼少期から音楽や楽器に触れていることが前提になるのはほぼ間違いないので、そういった経験無しだと厳しいかも。


…という夢もクソも無い厳しい現実を子供に教えなくてはならない時代になったのではないかと思うんですよ。これからの日本はプロフェッショナル以外の価値が大きく低下すると思われますゆえ。しかし時代の問題ではないんだよなぁ、きっと。どんな時代であっても、子供に自分の未来を選ばせるためにこういうことを教えなくてはならないのではなかろうか。少なくとも、僕は教えて貰いたかったですね。

プロになるには時間が掛かる、大人になれば十分な時間を作るのは難しい、これを子供の頃に教えて貰ったうえで何もしなかった子供が大人になって後悔するのは仕方がない。でも、教えられなかった子供が後悔するのはかわいそうってもんですよ。「なんで子供の頃から練習をしてこなかったのか」と。それは絶望でしかない。

そして子供は「出会う可能性」を自力では作れないので、大人がそれを世話してくれない限りは完全に運ゲーです。たまたま出会うことに賭けるしかない。

大人は「自由に育って貰いたい」とか言いますけど、子供は自由にさせたら遊びまくるんですよ。当たり前ですよね、難しいことなんかせずに遊びたいですもん。その結果、子供の未来は本当の自由から遠ざかってしまう可能性があるってことです。

「子供がやりたいと言ったことはやらせたい」なんて言っても、子供がソレの存在を知らなきゃ「やりたい」って言えないじゃないですか。アイスホッケーを見たことの無い子供が「アイスホッケーやりたい」とは言えないですよね。知らないから。

家計の状況とかもありますから何でもかんでも経験させるってのは無理ですが、話して聞かせるならタダですよね。いろんな話を聞かせてあげて、その中で強く興味を持ったいくつかだけを経験させる方式でもいいと思うんですよね。もちろん、お金と時間に余裕のある家庭なら沢山のことを経験させてあげればいいと思います。

現在大人である人の大部分は恐らくこんな教育は受けていないし、割とテキトーに子供時代を過ごしちゃったと思うので、自分がそうだったのだから子供もそれで問題ないだろうとか考えがちなんですが、多分問題大アリなんだと思いますよ。

じゃあテメェがそういう教育してみろって言われるとすんませんって話なんですが。まぁアレですよ、そうして貰いたかった元子供からの意見ということでひとつ。


・猫と熊
中盤辺りからすごい面白い。


悲しい。
猫「うへー、今日も疲れたわー」
猫「お、嬢ちゃんええもん飲んどるやないか」
猫「ファッ!?何さらすねん!シバくでほんま」
猫「ったく…」


思わず声が出る。


・今週の読書
いつもの読書記録です。

今週読了した本:
13階段:高野和明
プロジェクト・ゼロ:石川英輔

現在読んでいる本:
アンドロイドは電気羊の夢を見るか?:フィリップ・K・ディック
チグリスとユーフラテス:新井素子

今後読みたい本:
天使の囀り:貴志祐介
死都日本:石黒耀
砂の女:安部公房
三体:劉慈欣
テスカトリポカ:佐藤究
正欲:朝井リョウ
ハイペリオン:ダン・シモンズ
ハイペリオンの没落:ダン・シモンズ
エンディミオン:ダン・シモンズ
エンディミオンの覚醒:ダン・シモンズ
愛に時間を(1~3):ロバート・A・ハインライン
ヴァーチャル・ガール:エイミー・トムスン
未来のセックス年表:坂爪真吾
墓地を見おろす家:小池真理子

「13階段」を読了しました。殺人事件を扱ったいわゆるミステリー・サスペンスで、こういった話によくあるように「いやいや、それは無いでしょ」みたいなツッコミどころは沢山あるんですが、そもそもこの作品はエンターテインメントとして作られているので、そういったツッコミは野暮というものでしょう。そんなことを言ってしまったらややこしいトリックを弄した殺人事件なんて実際には殆どありませんので。

特筆すべきは展開の上手さでしょうね。作者の方は脚本家もやっていらっしゃったようで、映画みたいなスピード感のある展開が本作のウリかと思います。2時間映画にしても面白いだろうなと思ったら、実際2003年に作られていたようです。やはり。


「プロジェクト・ゼロ」は控えめに言って神。ジャンルは違いますが「こころ」や「破戒」に並ぶ最高峰の作品です。読み終わる度に内容を忘れて何度も読みたいぐらい面白い。まだ読んでいない人が羨ましい、こんな面白い本を読む楽しみが残っているのだから。

話の展開が結構早くて、本筋に関係の薄い部分はガンガン切り捨てて進むため、読後に「アレはどうなったのだろう」と気になったりはします。もちろんテキトーに投げ捨てているワケではなく、キリの良いところで捨てるので中途半端感は一切ありませんが、細部まで気になるぐらい面白いということです。ページ数が3倍ぐらいあって、そういった細部まで描いてあったなら…と思ってしまうぐらいに。

難点があるとすれば、文章自体がそれほど洗練されているわけではないということです。もともとは技術者の方で、本業として小説家になられてから3年後の作品なのでそこはまだ研究途上だったのかもしれません。そうはいっても分かりにくいわけではないので「あえて言うなら」という程度の話です。読むうえで問題にはならないはず。

内容はなんというか「エロいプロジェクトX」みたいな。いや、話は全然エロくなくて凄く真面目なんですが、作っているのがセックス用アンドロイド(セクソイド)なので。ねっとりしたエロじゃなく、かなり技術的で爽やかな話なので構えずに読んでもらいたいなぁと思います。そういうのが特に苦手というなら避けた方がいいかもですが。

「科学技術」「開発者の苦悩」「非婚化」「性産業のあり方」といったテーマを巧みに表現していて、1988年に出版(執筆は1985年?)されたとは思えない先進的な内容となっています。劇中の年代は2020年頃と思われますが、さすがにいま実現するのは厳しいです。しかし、2060年頃には実現する可能性は大いにあると思いますね。預言書みたいな。

この本の内容について語り合える機会があるなら、多分2時間ぐらい喋りっぱなしになるんじゃないかというぐらい好きです。2時間じゃ足りんかもしれない。

残念ながら既に絶版なので、中古で買うか、図書館で借りるかしかありません。オンデマンドプリントは扱っている会社が無さそうだし、電子化もされていないので。それでも日本国民全員に…とは言いませんが、SFが好きな人には読んで貰いたいなぁ。傑作です。


そして今日からは「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」と「チグリスとユーフラテス」を読み始めました。しかし大誤算がありまして…「チグリス」が単行本サイズで500Pあるのは事前に把握していたんですが、なんと単行本なのに文庫並みの文字サイズでギッチリ書かれているという恐ろしい文章量だったんですよね。なんてこった。

普通の単行本は文字が大きくて、行間も広いじゃないですか。文庫と比べても1Pの文字数は同じぐらいか、2割多いかぐらいですよ。しかしチグリスはどう見ても2倍はあります。つまり文庫本1,000P以上の文章量ということです。

※ギッチリ系の文庫と比べると2倍も無くて1.6倍程度でした。文字が少ないタイプの文庫(手持ちだとダヴィンチ・コードや博士の愛した数式)と比べると2倍あります。

電気羊が328Pなので、合計1300P以上。僕の1週間の読書量はMAX850Pぐらいですから、1.5倍以上読まないと1週間に収まりません。沢山読むのが嫌だという意味ではなくて、1日のスケジュールが決まっているので厳しいなというところです。これから1週間はアニメの時間を潰して読書に充てるしかなさそう。


以下、絵の話なので畳みます。





 

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湿 [雑記]

ジメジメとした陰湿人間である僕でも湿気には弱いのだ。

・なりたい職業ランキング
日本の未来を絶望するシリーズ。

・パンダ
パンダの動画。なごむ。

・今週の読書
いつものアレ。Audibleについても少し。

・なぜ画家は女性を描くのか
絵の話。理屈としてはやや弱い。

・今週の進捗
絵の話。いつものアレ。

ほいではポン。


・なりたい職業ランキング
小学生「将来なりたい職業」ランキングなるものを見つけたので、それについて絶望的な予想をしてみようかと思いまして。別に子供の夢をぶち壊したいのではなく、むしろ逆です。問題があることを踏まえたうえで子供たちはどうするべきなのか?ということを考えなくてはならないのです。夢と生活を両立できれば最高ですが、簡単ではないですから。

今回は「アスリートになれるのはほんの一握りの人間だけなんだよ」といったような一般的な視点ではなく、将来性があるかどうかについて予想をして行きたいと思います。果たして、技術の発展等により大きく様変わりする社会に対応できる職業なのか?と。

情報元はこちら
→小学生「将来なりたい職業」ランキング

まずは男女別に列挙します。

・男子
1位:サッカー選手・監督など
2位:野球選手・監督など
3位:医師
4位:ユーチューバー
5位:ゲーム制作関連
6位:会社員・事務員
7位:プロゲーマー
8位:建築士
9位:飼育員
10位:料理人・シェフなど

・女子
1位:医師
2位:看護師
3位:保育士
4位:イラストレーター
5位:教師
6位:薬剤師
7位:美容師
8位:パティシエール
9位:獣医
10位:会社員・事務員

では男子1位から順にコメントして行くとしましょう。こんなブログを読んでいる小学生はいないと思いますが、もしも見ていたら鵜呑みにしちゃダメだよ。キミの未来はキミが作るのだ。他人の意見は参考にしてもいいけど、言いなりになってはいけない。自分で考えるんだ。もちろん大人に相談してもいい。しかし最終的に決めるのはキミだ。忘れるな。

・サッカー選手・監督など
・野球選手・監督など
同じ系統なので纏めますが、アスリートってことですね。技術の発展により仕事が失われて行くとしても、娯楽としてのスポーツは無くなりません。むしろ、いまよりも需要が増す可能性は高いです。が、その一方でメタバースの普及により「現実世界(リアル)のスポーツ」が衰退する可能性もあります。バーチャルスポーツがどういったものになるかは分かりませんが、身体能力が活かされるような競技であればそちらに転向することも可能でしょう。

ということで「基本的には安泰、ただしプロになるのは非常に難しい(これはいまも一緒)」です。懸念事項は「バーチャルスポーツの発展によりリアルスポーツが衰退し、なおかつバーチャルスポーツが身体能力に無関係な競技であった場合に失業する」です。

・医師
男女共に人気の職業ですね。この職業は人類が不死身化しない限りは絶対に必要な職業なので、衰退する可能性はほぼゼロです。ただし、現在の小学生が医師になる頃には現役の医師の多くが引退しており、同時に高齢者(=医師の世話になる人数)が凄いことになっているので、医師の負担は激増しているでしょう。はっきり言って無茶苦茶辛い仕事になります。

遠隔地でも診察出来るとか、優れた薬剤が開発されているとか、医療の発展により幾らか楽になる部分もあるかもしれませんが、結局は人間が生身の体である以上は人間が対処する必要があるため、大変な仕事であることに変わりはないでしょう。AIが診察し、自動で調合された薬を飲めば治る…なんて時代はもっともっと先の話です。残念ながら。

ということで「基本的には安泰、ただし死ぬほど大変なのでメンタルやられると思うよ」です。現代もそうだと思いますが、更にヤバくなるんじゃないでしょうか。

・ユーチューバー
つまりエンターテイナーですね。芸人などもこれに含むと考えて良いでしょう。アスリートと同じく、娯楽分野というのは無くならない職業なので将来性は高いです。そしてアスリートよりは成功しやすい。かなり前途の明るい職業だと思います。

しかしながら、そうであるがゆえに競争が極めて熾烈です。誰でもなれるし、発想次第で何でもネタにできる。つまり誰でも参入できてしまうからです。そして勝ち残らなければ1円にもなりません。勝ち残れる自信が無いと本業にはできませんね。副業から始めて、軌道に乗ったら本業に…という流れになるでしょう。いまと変わらないですな。

ということで「基本的には安泰、ただし安定した生活とは程遠い職業なので始めからこれ一本で食べていこうとするのはちょっと無謀(いまと一緒)」です。どうしてもコレで食って行きたいなら、小学生のうちからチャンネルを作って育てましょう。大人になってからだと恐らく椅子取りゲームに勝てません。いま以上に競争率が高くなると思われるので。

・ゲーム制作関連
これがちょっと謎の職業なんですが、ゲーム制作と言っても企画から販売まで多くの仕事があるんですよ。小学生が考えるゲーム制作と言うと「プロデューサー」「プログラマ」「グラフィッカー」「シナリオライター」「コンポーザー」のどれかなのだろうとは思いますので、全部まとめて「クリエイター」といった感じでしょうか。「何か」を作る人。

ゲームは娯楽分野の中でも一番発展する分野であり、現在の予想では今後もゲーム市場は拡大を続けると言われています。特にオンラインゲームが発展すると予想されていますね。プロデューサーやプログラマならネットワーク技術は必須、次いでVR技術、関連して3D技術も必要です。グラフィッカーも3Dを扱えないと仕事が無くなるでしょう。

コンポーザーとシナリオライターはいまとさほど変わらないでしょうけれど、プログラマやグラフィッカーと比べると必要人数が圧倒的に少ないので、競争率は非常に高いと思われます。これらを目指す傍ら、もしも勝ち残れなかった場合には別の役回りにも転向できるように上記の技術を学んでおいた方が良いでしょう。

ということで「基本的には安泰、しっかり勉強すれば仕事はある」です。フリーランスなのか会社員なのかにもよりますが、言ってしまえば労働者ですからね。現代のリーマンとなんら変わりません。「アーティスト」としてゲーム制作に参加したいのであれば、それ相応の修業を積んでください。険しい道なので覚悟のうえで。

・会社員・事務員
「会社員」というのはあまりにも広範囲ですが、恐らくは事務系の仕事ってことですよね。小学生が想像する「会社員の姿」というのは恐らく、サザエさんにおけるマスオさんのように「会社のデスクで書類を処理している姿」だと思われるので。

であるとした場合、この目標は非常に危険です。小学生が大人になる頃には技術の発展により事務職は大幅に削減されている可能性が高く、またこんな仕事を目指すということは「特別な能力を身に付ける気は無い」あるいは「夢は無い」と宣言しているようなものなので、危険な兆候であると言えましょう。もちろん、必ずしもそうだとは言いませんが。

恐らく、小学生はそこまで考えていないと思うんです。「普通に大人になって、普通のサラリーマンになって、普通に生活していければ幸せ」ということなのでしょう。多くを望まず、ただ平穏に過ごすのが一番の幸せなんだ。そう考えていると思うんです。

それは間違いでありません。「普通の幸せ」は簡単に手に入るものではないのだから。でもねぇ、その「普通」は昔の普通なんですよ。「普通のサラリーマン」は普通ではなくなってしまうのですよ。「普通のことしかできないサラリーマン」なんていらない世の中になるんです。だからいままでの普通は未来の普通だとは考えない方がいい。

ということで「早急に考え直し、得意なこと・やりたいことを見つけ出せ」です。事務職が「やりたいこと」ならまぁそれでもいいんですけど、厳しいでしょうね。

・プロゲーマー
アスリートと同じなので省略します。

・建築士
厳しいですね。少子高齢化が進み、人口減が加速して行く日本において建築需要が高まることはもう二度と無いでしょう。国策で何らかの施設を建てたりすることはあるかもしれませんが、そういったものは業界トップの企業が独占する形になるでしょうし、技術の発展により機械化できる部分が増えると思われるので椅子取りゲーム状態になるでしょう。

娯楽施設等の建設についても、VR技術の発展により「現実の建物」を必要としなくなる可能性が高いです。そういった場合「バーチャル建築」みたいなものが誕生するかもしれませんが、物理法則が影響しないバーチャル空間において必要なのは「デザイナー」であって「建築士」ではないので、結局は仕事が無いという話になるかと思います。

ということで「かなり危うい職業、デザイナーの道も検討しよう」といったところでしょうか。小学生の言う「建築士」とは「デザイナー」のことである可能性が高いと思われるので、特に問題はないのかもしれませんけれども。

・飼育員
んー、どうなんでしょうね。動物園や水族館が無くなることはないと思うんですが、絶対バーチャル動物園やバーチャル水族館が登場するからなぁ…現代でも超リアルなバーチャル動物は現実とほぼ変わらないんですけど、やっぱり空気感や動物の臭いといった要素が欠けているので現実の動物園の代わりにはならないんですよ。

しかし未来のバーチャル動物園が進化して、そういった感覚的な部分まで感じられるようになったらまずいよなぁ。動物園には「種を保存し、研究するための機関」という側面があるので消滅することはあり得ないんですが、娯楽という要素を失ったら規模の維持ができないし、維持する必要もなくなるので縮小されるはずなんですよ。(水族館も同じ)

更に言えば、少子化の影響で入場者が減ります。動物園の入場者数って基本的には右肩下がりなんですよ。パンダがどうとか、話題になる度に一時的には上がっていますが。入場者数の3分の1ぐらいは子供連れなのでそりゃそうなりますよね。これが続くと(絶対続くのですが)、採算が厳しくなって動物園が潰れる(統合される)かもしれません。

すると飼育員の必要数が減るわけでして、競争はいまよりも更に厳しくなるでしょうね。飼育員を目指すのは良いですが、並行で他の道も模索しておいた方がいいかもしれない。

ということで「やや厳しい職業、これ一本は危ないかも」といったところでしょう。獣医師免許なり、トリマーなりの資格も並行して取っておいた方がいいかもしれない。

・料理人・シェフなど
これは安泰ですね、人間は絶対に食事しますから。どれだけレトルト食品が進化しても、外食文化は無くならないと思いますよ。仮に「外食」という行為自体は消滅したとしてもプロの料理人が作ったものを真空パックにして配送するサービスは残るでしょうから、料理人が消えることはありません。ロボ料理人が人間に追いつくのもまだまだ先です。

ということで「安泰、色んな業態・サービスを考えて同業他社と差を付けよう」ですね。他人と同じことをやっているだけではダメで「介護施設専門の栄養学に精通したフレンチシェフ」とか、そういったブランディングをして行きましょう。

続いて女子へ。

・医師
・看護師
男子の医師と基本的には同じなので省略。

・保育士
厳しいですね。何せ保育する対象の子供がいない。小学生が就職する頃、つまり12年後ぐらいには子供の数が激減しているでしょうから「高額で高品質な保育を」という需要はあるでしょうが、いまのように大勢集めて保育する形態は減るでしょうね。

※2009年の出生数は107万人、2021年の出生数は81万人です。例の自粛とか色々な要因はありますが、単純に考えると12年後には55万人です。実際は「産む女性」の数も減って行くので、もっと少なくなる可能性も高いのですが。

このため「高級ベビーシッター」みたいなものを目指すといいんじゃないでしょうか。確かアメリカにはセレブ用のベビーシッターを育成するための学校みたいなものがあるんですが、そういうところで学んで高級ベビーシッターになりましょう。

ということで「現代の保育士のようなものを想像しているなら厳しいが、高級路線という道はあると思われる」といったところでしょうか。当然、高級路線なので高級な能力が求められます。厳しい修練を積み一流の技能と教養を身に付けましょう。

・イラストレーター
仕事を選ばなければ僕程度のレベルでも仕事があったりするので、技術的なハードルは無茶苦茶低いんですが、やりたくもない仕事をやっていて楽しいのかというと。それが苦にならないなら食って行けると思います。未来もそれは変わらないでしょう。

AIが人間の創造性を凌駕するのはまだまだ先の話なので当面は問題ないのですが、AIが得意とする「一般的な絵柄の模倣」によって特徴に乏しい絵柄のイラストレーターは駆逐される可能性がゼロじゃないので、何らかの独自性は持っておきたいところです。

もしも「私は私の描きたい絵で食べて行くんだ」と思っているなら、それなりに険しい道のりになります。それは一般的にはイラストレーターというよりはアーティストと呼ばれる職業に近いのですが、それで食って行ける人はごく一握りだということは覚えておきましょう。挑んで無理そうならイラストレーターになれるので潰しはききますが。

・教師
基本的には保育士と同じなので省略。

・薬剤師
基本的には医者と同じ…と思いきやそうでもありません。薬剤師は結構ヤバい可能性があります。薬剤師には対人業務と対物業務がありますが、そのうちの対物業務はAIに置き換えられると言われています。実際、既に一部では導入されています。

対人業務については、高齢化が進むにつれて色々と尋ねられる機会が増えて行くと思うので、こちらがメイン業務となるでしょう。そして高齢者の対応はAIでは厳しいため人力が不可欠です。よって、この業務についてはいま以上に重要度が高まるでしょう。

ただですね、上の通り対物業務は無くなるわけです。そしたら人員は削減されますよね。一方で高齢化によって患者数が増えるため必要な人員は増えます。どうなるんでしょうかねぇ…とりあえず業務がより厳しくなるのは確かでしょうね。

ということで「需要については分からないが、仕事はかなりキツくなると思われる」でしょうか。やっぱり人間の相手が一番キツい仕事だと思いますよ、マジで。

・美容師
これは現状維持と思われます。AI美容師なるものが生まれるとも思えません。人間に対して刃物を扱うのですから、それが実用化されるのは一番最後の段階ですよ。世の中のほぼすべてが自動化して、その先にあるのがAI美容師。つまり超未来です。

ということで「いまと変わらない」です。

・パティシエール
男子の料理人と同じなので省略。

・獣医
少子化、独身化の影響でペット需要は更に高まるでしょうから、獣医の需要も高まるでしょうね。AIペットなるものも登場してはいるものの、これらは生身の動物の代わりには到底なり得ないのであまり影響は無いでしょう。バーチャルペットもまぁ同じでしょうね。VRが進化して触れられるようになっても、やっぱりデータはデータなので。

ひとつ懸念があるとすれば、日本総貧乏の時代になってペットを飼えなくなる可能性でしょうか。貧乏なりに飼えるとは思うのですが、獣医に診せるという先進的な文化が死滅するかもしれません。要は発展途上国に見られるような飼い方です。そこまでになるとは考えにくいので、基本的には無視しても良い可能性だとは思いますが。

ということで「需要は増すだろうし、良いのでは」です。

・会社員・事務員
男子と同じなので省略。


無茶苦茶長くなりました。結局のところ「芸は身を助く」ですね。というか、もっと厳しくて一芸が無いヤツは生き残れないのです。厳しい時代がやってくるとは思いますが、小学生の皆はどうやって乗り越えて行くのだろうか。無責任な大人(僕)は見守ることしかできませぬ。すまんね。絵かIT技術ならちょっとは教えられるよ。


・パンダ
面白いパンダ動画です。



・今週の読書
いつもの読書記録です。

今週読了した本:
ドグラ・マグラ(上):夢野久作
ドグラ・マグラ(下):夢野久作

現在読んでいる本:
13階段:高野和明
プロジェクト・ゼロ:石川英輔

今後読みたい本:
チグリスとユーフラテス:新井素子
アンドロイドは電気羊の夢を見るか?:フィリップ・K・ディック
天使の囀り:貴志祐介
死都日本:石黒耀
砂の女:安部公房
三体:劉慈欣
テスカトリポカ:佐藤究
正欲:朝井リョウ
ハイペリオン:ダン・シモンズ
ハイペリオンの没落:ダン・シモンズ
エンディミオン:ダン・シモンズ
エンディミオンの覚醒:ダン・シモンズ
愛に時間を(1~3):ロバート・A・ハインライン
ヴァーチャル・ガール:エイミー・トムスン

「ドグラ・マグラ」を読了しました。精神病を題材とした話であり、1935年に書かれた本なのにとてつもなく先進的な内容でした。現代人にとってはそんなに意味不明な話ではないのですが、当時の人にとってはまさに「奇書」だったろうなと思います。

しかし先進的な内容とは言ってもやはり昔の本ですから、表現であったり話の作りであったりといった部分はやはり古さが出てしまいます。それが良い意味での古さならいいんですが、この作品の古さは現代でウケない方向の古さなので、そういった意味でかなりクセの強い作品であると言えるでしょう。現代の作家がリライトしたら無茶苦茶面白いと思います。それは「夢野久作のドグラ・マグラ」ではなくなってしまうのですが。

今日から「13階段」を読んでいます。いわゆるバディもので、ごく普通のサスペンスですね。突っ込みどころはあるものの、サクサク進むので読みやすく、ライトな感じで楽しめる作品かと思います。(序盤の印象なので後々変わるかも)

「プロジェクト・ゼロ」はアンドロイドが登場するSFなので楽しみです。表紙が全裸のお姉さんなので一見するとエロ本みたいですが、SFってそういう表紙多いですよね。SFじゃないけどドグラ・マグラも太古のエロ本みたいな感じなんだよな。

今週は「砂の女」を借りようと思っていたんですが、予約数が20ぐらい入っていて借りられませんでした。1962年の本なのに、なんでこんなに予約が入っているのだろうか。

読みたい本には「ヴァーチャル・ガール」を追加しました。これもアンドロイドSFです。僕はSFが好きなんだと思っていたんですが、そうじゃなくアンドロイドが好きなんですよね。なんというか、アンドロイドには夢が詰まってますから。

そしてアンドロイド繋がりで「未来のセックス年表」というナニなタイトルの本も読みたいのですが、これ借りるのはちょっと度胸が要るなぁ。気にしているのは僕だけで、図書館の人は別に何も気にしないと思うんですけれども。ちなみにこれはエロい本ではなくて、科学技術と性にまつわる未来予測の本です。「超リアルなSF」みたいな。


それはさておき「Audible」というサービスの話をば。

アマゾンで扱っているサービスで「プロのナレーター(俳優や声優)が朗読してくれる」というものです。これどうなんでしょうねぇ…僕は小説を読み聞かせてもらっても理解できない人間なので、正直微妙だと思っちゃうんですよ。世の中の人々はそんなことは普通にできてしまって、僕がヘボいだけなのかもしれませんけれども。

いやまぁ、集中して聞けば理解できるとは思うんです。でも、それなら自分で読むじゃないですか。わかりづらい部分はゆっくり読めるし、場合によってはちょっと戻って読み返せるわけで、どう考えても読み聞かせより理解度が高まるじゃないですか。

読み聞かせなら「ながら聞き」ができるという利点はあるものの、ながらで聞いたらますます理解力が低下しますよね。作業に集中すると小説の内容が分からなくなるし、小説に集中すると作業の精度が下がるので、どちらにしてもメリットがありません。

好きな朗読者の声を環境音楽として聴くならいいのかもしれませんが、それだと小説という内容のある声は邪魔になる可能性が高い。散歩中に聞く(本を歩き読みは難しい&危険)、語学勉強として聞く(外国語本)といったあたりが効果的な使い方でしょうか。

Amazonプライムで3か月だけ無料らしいので、気になる方はそちらで。


以下、絵の話なので畳みます。









 

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3年目が始まった [雑記]

終わりは特別だが始まりは特別ではないのかもしれん。

・THE お肉
お肉はついに新時代に突入した。

・今週の読書
いつものアレ。

・児ポ騒動
絵の話。どこまで抗うべきか。

・今週の進捗
絵の話。いつものアレ。

ほいではドドン。


・THE お肉
お肉を食べるには、動物を殺さなくてはなりません。大昔からそうでした。他の動物の命を頂く、それが「お肉を食べる」ということです。殺さなくても、ひと齧りだけさせて貰うという手もあるのかもしれません。でもそれは無茶苦茶痛いので、命を丸ごと奪うこととどちらが残酷なのかというと何とも言えません。何にしても、肉を食べるというのは何者かの痛みを伴うのです。

それが悪いことかどうかは価値観の問題なので言及しませんが、「誰も痛みを感じることなくお肉を食べることができる」というなら、それに越したことはないですよね。

ということで、今回は培養肉のお話です。簡単に言うと「お肉(と同等のモノ)を科学的に作り出せば、誰も痛みを感じなくて済むんじゃないの?」ということですね。フィクションでは割とよくある話なんですが、今やそれが実現しつつあるのです。

→イスラエルの事例
→シンガポールでは既に販売も
→日清食品&東大の事例

ハンバーグなんかに使われる挽肉については2013年ぐらいには既に成功していて、当時はハンバーガー1個あたり3,000万円ぐらいのコストが掛ったそうですが、今では500円ぐらいで作れるようになっています。大量生産できればもっと安くなるでしょうね。

しかし、ステーキ肉については未だに技術が確立していなくて、日清食品が研究しているのはその分野となります。基礎的な技術は出来ているとのことで、これが更に発展して行けばいずれは人工ステーキ肉も登場するのでしょう。やっぱり一枚肉も食べたいよね。

培養肉だと味や香りが…という心配もあるかもしれませんが、ぶっちゃけ人間の味覚・嗅覚なんてものはある程度のところまでなら結構簡単に科学的に再現できてしまうので、味に超絶こだわる人じゃなければ違いなんて分からないんじゃないかと思います。

そうなると、動物を殺す必要が「ほぼ」なくなります。なぜ「ほぼ」かというと、やはりこだわる人にとっては「本物の味」というものが必要だからです。畜産業は確実に衰退するため、本物の価格は高騰するでしょう。つまり、一部の裕福な美食家のみが本物のお肉を食べるようになるわけです。まぁ、それはそれでいいんじゃないですかね。生き物を殺してまで食べたいって人も少なくなるでしょうし。


培養肉は倫理的な面のみならず、環境面でもメリットがあります。家畜を育てるのって無茶苦茶たくさんの資源を必要とするんですよ。例えば牛肉1Kgを育てるのに必要な作物等を水換算すると2万リットル必要となるそうですが、培養肉ならその78%をカットできるとか。更に、牛が排出するメタン等の温室効果ガスも排出されなくなると言われています。

実際のところ、まだ商業路線に乗っていないので本当にそれほどの効果を出せるのかは疑わしいのですが、賢い方々の計算結果でしょうからそんなに外れてもいないのでしょう。未来は確実に資源不足の世界になるので、早く実用化できると良いですよね。


そういった技術と並行して、珍妙な技術も生まれました。なんと「空気からお肉作ろうぜ!」というドラえもんのようなお話が。いやまぁ、ちょっと誇張表現ですが。

→空気からお肉へ

二酸化炭素等を材料として、代謝物としてタンパク質を排出する微生物を使用しているそうです。クロレラみたいなものですから、技術として新しいものではないのかな。こういったアミノ酸を合成するタイプの微生物を使えば「水と空気からお肉を作る」といったこともできるでしょうし、来るべき食糧難の時代への対抗策として心強いですね。

人類は更なるステップへ。

→人肉ステーキ

そりゃまぁ、人間も動物なので培養できますよね。自分の肉を育てて自分で食べたらエコなのかなぁ…エネルギー効率を考えると全然ダメですね。この試みは人工肉への皮肉らしいんですが、それはそれとして「色んな生物のお肉を作り出せる」という可能性を示してもいますよね。つまり、冷凍マンモスのお肉を培養したマンモスステーキも作れるのでは?と。

「動物を殺さないお肉」によって倫理観は守られるかもしれませんが、それは同時に「人間が生物の組織を作り出す」ということであり、宗教観との対立を生み出すんですよね。資源の問題もありますけれども、これも解決して行かなければならない問題です。


アニメ「サイコパス」では「ハイパーオーツ」という超凄い麦から全ての食料を合成していました。成分的な話をすれば麦に含まれるモノを組み替えれば大体の食品は作れるはずですから、理屈の上では可能です。問題は、現在の技術レベルではコストとエネルギーの面で見合わないということ。「出来るかどうか」の先の問題があるんですよね。

しかし、3,000万円の培養ハンバーガーが500円になったように、技術の進歩はそれを乗り越えて行くでしょう。SF世界はすぐそこですよ。科学者の方々、マジ凄いですなぁ。


・今週の読書
いつもの読書記録です。

今週読了した本:
虐殺器官:伊藤計劃
ハーモニー:伊藤計劃

現在読んでいる本:
ドグラ・マグラ(上):夢野久作
ドグラ・マグラ(下):夢野久作

今後読みたい本:
ニューロマンサー:ウィリアム・ギブスン
砂の女:安部公房
アンドロイドは電気羊の夢を見るか?:フィリップ・K・ディック
天使の囀り:貴志祐介
プロジェクト・ゼロ:石川英輔
死都日本:石黒耀
13階段:高野和明
三体:劉慈欣
テスカトリポカ:佐藤究
正欲:朝井リョウ
チグリスとユーフラテス:新井素子
ハイペリオン:ダン・シモンズ
ハイペリオンの没落:ダン・シモンズ
エンディミオン:ダン・シモンズ
エンディミオンの覚醒:ダン・シモンズ
愛に時間を(1~3):ロバート・A・ハインライン

「虐殺器官」「ハーモニー」を読了しました。世界観はかなり作り込まれていていいですね。チョイチョイ無理筋がありますが、話のまとめ方が上手いので僕と同族の重箱野郎以外は気にならないと思います。ただし、文体が独特というか「疑問符を三点リーダーで表現する」という珍妙な文章なので、正直言ってしまうと状況が分かりにくいです。

つまりこういうことです。(僕の文章が下手とかそういうのはとりあえず関係無いので無視してください)

『後ろ手にドアを閉め、彼に約束のブツを手渡す。「毎度あり」そう言うと彼は一歩後ずさる。次の瞬間、窓の外から嵐の如き鉛の雨が降り注いだ。咄嗟に身体を伏せ、僕は難を逃れる。やれやれ、勘弁してくれよ。「これはどういうことだ…」顔を上げドアに目をやると、そこに彼の姿は無かった。』

みたいな場面があるとするじゃないですか。これって彼に対して「これはどういうことだ?」と問いかけたのか、独り言なのか分からないですよね。恐らく彼に対して言っているというのは分かりますが、なんともはっきりしない感じはします。

更に言うと、三点リーダーって言葉の抑揚が弱まって行くこと(余韻など)を示しますから、こんな緊迫した状況で使うものではないはずです。この状況なら言い切りでしょう。

表現の仕方は自由なんですが、一般的に普及している(と僕は認識している)ルールを曲げちゃっているので、そこが超絶気になりました。黒丸尚さんという翻訳家の影響とのことですが、今後読む予定の「ニューロマンサー」の訳者がこの方なので不安で一杯。

「そんな細かいことはどうでもいいんだよ!」って方は大いに楽しめると思いますが、気になっちゃう方は避けた方がいいかもしれないです。


ドグラ・マグラは諸々の事情があってまだ40ページですが、既に面白いです。凄い。1935年の本なのでさすがに表現は古いのですが、発想は凄く新しい。段々と意味不明になって行くらしいので油断はできませんが、今のところは期待度高いですね。

読みたいリストには「ハイペリオン」のシリーズと「愛に時間を」を追加しました。どちらも有名なSF作品です。そしてどちらもかなり長い作品。


以下、絵の話なので畳みます。








 

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2年目が終わった [雑記]

厳密にはまだ終わっていない。

・今週の読書
いつものアレ。

・2年目の記録
絵の話。2年目に描いた絵の振り返りなど。

・今週の進捗
絵の話。いつものアレ。

・3年目の方針
絵の話。3年目はどのように進めようか。

ほいではズン。


・今週の読書
いつもの読書記録です。

今週読了した本:
Another エピソードS:綾辻行人
屍者の帝国:伊藤計劃

現在読んでいる本:
虐殺器官:伊藤計劃
ハーモニー:伊藤計劃

今後読みたい本:
ドグラ・マグラ(上下):夢野久作
ニューロマンサー:ウィリアム・ギブスン
砂の女:安部公房
アンドロイドは電気羊の夢を見るか?:フィリップ・K・ディック
天使の囀り:貴志祐介
プロジェクト・ゼロ:石川英輔
死都日本:石黒耀
13階段:高野和明
三体:劉慈欣
テスカトリポカ:佐藤究
正欲:朝井リョウ
チグリスとユーフラテス:新井素子

「屍者の帝国」を読了しましたが、なんというか読者に伝えるための文章でなく、作家の自己表現のための文章でした。全体的に衒学的な表現で埋め尽くされているので、全てを理解するにはかなり幅広く知識を持っていないとキツいですね。

例えば聖書(新旧、特に旧)を読んでいないと意味不明な部分が結構あるんですが、日本はキリスト教国ではないので大部分の日本人は読まないでしょう。僕は中二病を拗らせた関係で(といっても高校生の頃ですが)読みましたけれども、一般的ではないなと。

そういう表現を使うのもアリなんですが、あまりにも多用されると辟易しますね。更に言えば、それが必要なら仕方無いです。でも、不必要であるのにガンガン使うのはひけらかしに見えますね。あるいは、ファッションとして使っているのかもしれませんが。

悪いことだとは思いません。「他人に見せるもの」も芸術であるし、「自分を表現するもの」も芸術です。ただ何というか、SF小説にいわゆる文学的なものを求める人ってあまりいないような気がするので、SF小説としてはアンマッチじゃないですかね。これは僕の推測であり、実際は文学的なSFが求められているというならごめんなさい。

この作品は伊藤計劃が書いたもの…ではないんですよね、実は。伊藤計劃の物語であることは間違いないんですが、彼はこの作品を完成させる前に亡くなりました。残されたのは30ページの原稿とプロットのみだったとか。それを円城塔が引き継いで完成させたのが本書であり、約520ページの9割以上を彼が書いています。実質的に円城塔の作品です。

円城塔の他作品についてもざっと調べてみましたが、この衒学的でナルシシズムに満ちた文体が彼の持ち味なのだそうです。彼のファンなら楽しめるでしょうね。

僕もどちらかというと衒学野郎なので、僕の文章や会話にイラッとする方もきっと少なくはないのでしょうが、それでもやはり衒学趣味は好きになれません。同族嫌悪か。

この作品はアニメ映画化もされておりまして、そちらは分かり易く作られています。世界観や登場人物は概ね同じなんですが、ストーリーは全然違っていて「原作」というよりは「原案」みたいな感じです。なお、映画版のストーリーの方が断然面白いです。といっても「原作よりは断然面白い」であって、数あるアニメ映画の中においては平凡です。

「Another」については先週書いたので省略します。

読みたいリストに「チグリスとユーフラテス」を追加しました。宇宙へ旅立った移民が滅びを迎えたとき、最後の人類が移民の歴史を語るという話らしいです。生殖能力の欠如やら人工子宮といった素敵ワードが登場するので期待しています。生命とテクノロジーの話って好きなんですよね。なんだろう、自然と科学という相対するものの融合ってワクワクするんですよ。そして最後には滅び去る。素晴らしい。


読書記録のみで感想は書かないという話でしたが、なんか毎回感想書いていますよね。僕は粗探しをしてしまうクソ野郎なので、不快な文章しか書けないことを知っていながら書いてしまう。人間とはそういう業を負った生き物なのか、僕がクソ野郎なだけなのか。

というかアレですね、良くない部分だけ書くからダメなんですよ。良い部分もあるのだから、それを書けばいい。両方書いて初めて「ちゃんとした感想」でしょう。

「屍者の帝国」の良いところはそうですね、やはり世界設定そのものでしょう。死者に特別な処理を施すことによって「意思を持たない単純労働力」として復活させることが可能となった世界が舞台となっています。戦争も死者同士なら安全?ですね。

科学的な観点からすると荒唐無稽な話ですし、そこは無視するとしても食料および排泄の問題はどうなっているのかとか、色々とツッコミどころがあるので「SFとしてどうなの?」という点ではアレなのですが、ファンタジーとしては面白いです。

SFは「サイエンス・フィクション」の略ですが、派生ジャンルとして「サイエンス・ファンタジー」なんてものもあります。この辺りの境界は曖昧ですし、更に言えば「サイエンス・ファンタジー」と「ロー・ファンタジー」も区別が難しいです。「SFなのに非科学的でおかしいぞ!」と感じる方は「屍者の帝国はサイエンス・ファンタジーである」と考えるとスッキリするかもしれません。



以下、絵の話なので畳みます。画像が無茶苦茶多いので重いかも。










 

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