過 [雑記]
何事も加減が大事っちゅーこっちゃ。
・今週の読書
いつものアレ。
・耳
噂を検証した。
ほいではびびん。
・今週の読書
今週読了した本:
蠅の王:田中啓文
現在読んでいる本:
彼女はもういない:西澤保彦
「蠅の王」を読了しました。これは面白くないというか、出来が悪いですね。B級ホラーとしての面白さはありますが、それ以上の価値は見出せませんでした。中学~高校生の男子なら割と楽しめるかな?という感じはしますが、それ以外の人々…特に成人女性だと、楽しめるのは100人に1人いるかどうか。女子高生ぐらいならもうちょっといるかも。
内容はヨハネの黙示録をモチーフとした悪魔vs神の戦いであり、悪魔側のトップをサタン(ルシファー)ではなくベルゼブブにしたり、キリストの母親をナザレのマリアではなくマグダラのマリアにしたりと色々と工夫が盛り込まれているのは良いので、調理方法次第では神話系ファンタジーとして面白い作品になったと思うんですが、尖った特徴を持たせようとしてスパイスを入れ過ぎた結果、ゲテモノになってしまいました。
内容以前の問題で文章そのものにも問題があります。まず何といっても、語彙力があまりにもお粗末。「え、その言葉選びおかしくない?」という部分が多々。演出としてそういった言葉を選んだのだろうな…とも思えないので、かなりモヤっとします。
次にフレーバーテキストが多過ぎます。聖書の内容を独自の言語に置き換えた文章や、ヘブライ語と思われるものをひらがな表記した文章が何度も登場するんですが、一度出せば十分じゃないですか。普通に読んでも意味が分からないので大半の人は読まないだろうし、分かったとしても同じ文章を何度も読む必要はありません。初回は雰囲気を出すための道具としての効果を発揮するので重要なんですが、その後はただのページ稼ぎです。
あとは矛盾がチラホラ。ABCDEの5名が悪魔の力で密室に閉じ込められるシーンがあるのですが、次のページでなぜかそれまで一切登場しなかったAの母が悲鳴を上げて倒れます。いや、お前どこから入ってきたんだよ。その後も何度かAの母がどうこうという記述がありますが、脱出後は二度と登場しません。一体何だったのか。
オチもクソで、パッと見はちゃんとまとまっているように見えるし、著者も「ドヤ!美しい終わりやろ!」と思っているような気配が漂っているのですが(僕の想像に過ぎませんが)、実際のところは少し考えれば全く成立していないことが分かります。
ひとつ擁護する部分があるとすれば、Amazonのレビューで「主人公の女がビッチ過ぎる」みたいな評価がチラホラみられるのですが、僕はそんなことはないと思うんですよね。これぐらいは全然普通の範疇であり、これでビッチというなら現実世界はほぼビッチということになってしまいます。キミらはどんだけ性に対して潔癖な女性を求めているのだ。
今日からは「彼女はもういない」を読んでいます。理不尽な理由で女性への憎悪を滾らせる変態男による連続強姦・殺人の話ですね。しかしただ憎いから殺しているのではなく、何か目的があって殺しているようですが…まだ序盤なのでよく分かりません。
思い込みであったり、恣意的な情報に踊らされたりして異性への憎悪を滾らせている人は現実世界でもTwitter(X)でよく見かけますね。そういった憎しみを持っている人は男女問わず存在しますが、強姦にも殺人にも腕力が必要ですし、一般的に破壊衝動は男性の方が強いので、現実で事件が起きるとすればそれは男性によるものである場合が多いでしょう。
そう考えると「犯罪者の大部分は男なので、男は滅ぶべき」という男嫌い過激派の人々の主張も分からなくはないのですが、それで男が滅亡したら今度は女同士で罪を犯すと思うんですよね。生殖の都合で滅びるだろうというのは無視するとしても、結局のところ世界に犯罪が満ちている状況は何も変わらんと思いますけどね。
話を戻しますが、この本はどうかなぁ…いまのところ主人公(犯人)の変態さはよく描けていますが、文章自体はあまりよくないです。話が進んでもこれは変わらないと思うので、その欠点を帳消しにし得るような面白さがあればよいのですが。はてさて。
長くなったので畳みます。
・今週の読書
いつものアレ。
・耳
噂を検証した。
ほいではびびん。
・今週の読書
今週読了した本:
蠅の王:田中啓文
現在読んでいる本:
彼女はもういない:西澤保彦
「蠅の王」を読了しました。これは面白くないというか、出来が悪いですね。B級ホラーとしての面白さはありますが、それ以上の価値は見出せませんでした。中学~高校生の男子なら割と楽しめるかな?という感じはしますが、それ以外の人々…特に成人女性だと、楽しめるのは100人に1人いるかどうか。女子高生ぐらいならもうちょっといるかも。
内容はヨハネの黙示録をモチーフとした悪魔vs神の戦いであり、悪魔側のトップをサタン(ルシファー)ではなくベルゼブブにしたり、キリストの母親をナザレのマリアではなくマグダラのマリアにしたりと色々と工夫が盛り込まれているのは良いので、調理方法次第では神話系ファンタジーとして面白い作品になったと思うんですが、尖った特徴を持たせようとしてスパイスを入れ過ぎた結果、ゲテモノになってしまいました。
内容以前の問題で文章そのものにも問題があります。まず何といっても、語彙力があまりにもお粗末。「え、その言葉選びおかしくない?」という部分が多々。演出としてそういった言葉を選んだのだろうな…とも思えないので、かなりモヤっとします。
次にフレーバーテキストが多過ぎます。聖書の内容を独自の言語に置き換えた文章や、ヘブライ語と思われるものをひらがな表記した文章が何度も登場するんですが、一度出せば十分じゃないですか。普通に読んでも意味が分からないので大半の人は読まないだろうし、分かったとしても同じ文章を何度も読む必要はありません。初回は雰囲気を出すための道具としての効果を発揮するので重要なんですが、その後はただのページ稼ぎです。
あとは矛盾がチラホラ。ABCDEの5名が悪魔の力で密室に閉じ込められるシーンがあるのですが、次のページでなぜかそれまで一切登場しなかったAの母が悲鳴を上げて倒れます。いや、お前どこから入ってきたんだよ。その後も何度かAの母がどうこうという記述がありますが、脱出後は二度と登場しません。一体何だったのか。
オチもクソで、パッと見はちゃんとまとまっているように見えるし、著者も「ドヤ!美しい終わりやろ!」と思っているような気配が漂っているのですが(僕の想像に過ぎませんが)、実際のところは少し考えれば全く成立していないことが分かります。
ひとつ擁護する部分があるとすれば、Amazonのレビューで「主人公の女がビッチ過ぎる」みたいな評価がチラホラみられるのですが、僕はそんなことはないと思うんですよね。これぐらいは全然普通の範疇であり、これでビッチというなら現実世界はほぼビッチということになってしまいます。キミらはどんだけ性に対して潔癖な女性を求めているのだ。
今日からは「彼女はもういない」を読んでいます。理不尽な理由で女性への憎悪を滾らせる変態男による連続強姦・殺人の話ですね。しかしただ憎いから殺しているのではなく、何か目的があって殺しているようですが…まだ序盤なのでよく分かりません。
思い込みであったり、恣意的な情報に踊らされたりして異性への憎悪を滾らせている人は現実世界でもTwitter(X)でよく見かけますね。そういった憎しみを持っている人は男女問わず存在しますが、強姦にも殺人にも腕力が必要ですし、一般的に破壊衝動は男性の方が強いので、現実で事件が起きるとすればそれは男性によるものである場合が多いでしょう。
そう考えると「犯罪者の大部分は男なので、男は滅ぶべき」という男嫌い過激派の人々の主張も分からなくはないのですが、それで男が滅亡したら今度は女同士で罪を犯すと思うんですよね。生殖の都合で滅びるだろうというのは無視するとしても、結局のところ世界に犯罪が満ちている状況は何も変わらんと思いますけどね。
話を戻しますが、この本はどうかなぁ…いまのところ主人公(犯人)の変態さはよく描けていますが、文章自体はあまりよくないです。話が進んでもこれは変わらないと思うので、その欠点を帳消しにし得るような面白さがあればよいのですが。はてさて。
長くなったので畳みます。
識 [雑記]
知らないから恐ろしい。しかし本当に恐ろしいのは、知って恐怖を忘れること。
・今週の読書
いつものアレ。
・星
怖いよ。
ほいではブォン。
・今週の読書
今週読了した本:
殺人鬼フジコの衝動(限定版):真梨幸子
インタビュー・イン・セル 殺人鬼フジコの真実:真梨幸子
現在読んでいる本:
蠅の王:田中啓文
「インタビュー(略)」を読了しました。これはですねぇ、難しい所なんですが蛇足だったかなという感じですね。前作から通して、プロットは練られていて良かったと思うんですよ。しかしそれを全てさらけ出してしまったことにより、前作のミステリアスな締め括りが台無しになってしまいました。スッキリして良かったねといえばそうなんですが。
僕は全てスッキリさせたい派ではあるんですが、そうであっても物語が台無しになるような種明かしを望んでいるワケじゃないんですよ。スッキリさせることで物語の良さが失われるなら、それはスッキリさせるべきじゃないと思っています。難しいところですが。
内容はというと、これは明確に「良くない」と言わざるを得ないです。というのも、犯人が北九州監禁殺人事件を参考にしたと言っているんですが、マジでそのまんまなんですね。しかも手口だけ真似して心理的な描写をスッパリ省いているため、説得力が皆無。
あの事件をよく知っている人だったら脳内補完できますけど、それに期待するのは反則じゃないですか。この小説の中だけでちゃんと描いてくださいよ。
他にも事件に無関係なジャーナリストが被害者との交流を経て犯人を猛烈に憎み殺害するとか、7人も監禁して殺害したうえ被害者の何人かを日常的に犯していたにも関わらず証拠不十分で無罪とか、あまりにもおかしな描写が多過ぎます。前作もそうでしたけど、この著者は憎悪の描写は上手いけど論理的な部分がかなり弱いなという印象ですね。
良かった部分もあって、中学生の悪ガキどもが新任の女教師をイジメてレイプしたことで自殺してしまうという事件があるんですが、ここの描写ですね。共学の中学なので女子生徒もいるんですが、彼女らもイジメに加担したうえ、レイプに関しても何も言いません。
女にとって最も卑劣な犯罪だと思うんですが、だからこそ男からすると「いやいや、イジメの対象だったとしてもさすがにレイプは同性として許せんのでは?」と思ってしまうんですが、コレ多分間違ってるんですよね。恐らく正解はこの小説の通り「イジメの対象であれば、レイプされてもざまぁみろとしか思わない」なんだと思います。
こういった部分は、女性作家だからこそスッと自然に書けるんだろうなぁ。男性作家だったら「やりすぎ!」と止めに入ったイジメ女子も餌食になる流れだと思います。
そんな感じで、ツッコミどころは多いんですが胸糞悪い展開自体は嫌いじゃないので、他の作品も読んでみようかなとは思わなくもなく。
今日からは「蠅の王」を読んでいます。これはなんというかバカグロ系といいましょうか。昆虫は宇宙から飛来したエイリアンで、世界を支配する力を持っているとか。太古の昔に封印されたその力を超不幸な男が解き放ち、世界に復讐しましょう…みたいな話です。
どれくらい不幸かというと、嫁は愛想尽かして失踪、幼い娘のために再婚したら相手は超絶浪費家、娘は事故死して浪費嫁だけが残る、浪費嫁が仕事の同僚(大学教授)と堂々と浮気、研究成果を横流しされて手柄を取られる…と。自業自得の部分もかなりあるので、それで世の中を呪うのはどうですかねぇ…とは思うんですが、そんなものかも。
この作品も序盤からツッコミどころ満載で「それはおかしいやろ」という部分が多いんですが、ノリと勢い重視の作品っぽいので細かいことは気にしない方が良さそう。
少し長くなったので畳みます。
・今週の読書
いつものアレ。
・星
怖いよ。
ほいではブォン。
・今週の読書
今週読了した本:
殺人鬼フジコの衝動(限定版):真梨幸子
インタビュー・イン・セル 殺人鬼フジコの真実:真梨幸子
現在読んでいる本:
蠅の王:田中啓文
「インタビュー(略)」を読了しました。これはですねぇ、難しい所なんですが蛇足だったかなという感じですね。前作から通して、プロットは練られていて良かったと思うんですよ。しかしそれを全てさらけ出してしまったことにより、前作のミステリアスな締め括りが台無しになってしまいました。スッキリして良かったねといえばそうなんですが。
僕は全てスッキリさせたい派ではあるんですが、そうであっても物語が台無しになるような種明かしを望んでいるワケじゃないんですよ。スッキリさせることで物語の良さが失われるなら、それはスッキリさせるべきじゃないと思っています。難しいところですが。
内容はというと、これは明確に「良くない」と言わざるを得ないです。というのも、犯人が北九州監禁殺人事件を参考にしたと言っているんですが、マジでそのまんまなんですね。しかも手口だけ真似して心理的な描写をスッパリ省いているため、説得力が皆無。
あの事件をよく知っている人だったら脳内補完できますけど、それに期待するのは反則じゃないですか。この小説の中だけでちゃんと描いてくださいよ。
他にも事件に無関係なジャーナリストが被害者との交流を経て犯人を猛烈に憎み殺害するとか、7人も監禁して殺害したうえ被害者の何人かを日常的に犯していたにも関わらず証拠不十分で無罪とか、あまりにもおかしな描写が多過ぎます。前作もそうでしたけど、この著者は憎悪の描写は上手いけど論理的な部分がかなり弱いなという印象ですね。
良かった部分もあって、中学生の悪ガキどもが新任の女教師をイジメてレイプしたことで自殺してしまうという事件があるんですが、ここの描写ですね。共学の中学なので女子生徒もいるんですが、彼女らもイジメに加担したうえ、レイプに関しても何も言いません。
女にとって最も卑劣な犯罪だと思うんですが、だからこそ男からすると「いやいや、イジメの対象だったとしてもさすがにレイプは同性として許せんのでは?」と思ってしまうんですが、コレ多分間違ってるんですよね。恐らく正解はこの小説の通り「イジメの対象であれば、レイプされてもざまぁみろとしか思わない」なんだと思います。
こういった部分は、女性作家だからこそスッと自然に書けるんだろうなぁ。男性作家だったら「やりすぎ!」と止めに入ったイジメ女子も餌食になる流れだと思います。
そんな感じで、ツッコミどころは多いんですが胸糞悪い展開自体は嫌いじゃないので、他の作品も読んでみようかなとは思わなくもなく。
今日からは「蠅の王」を読んでいます。これはなんというかバカグロ系といいましょうか。昆虫は宇宙から飛来したエイリアンで、世界を支配する力を持っているとか。太古の昔に封印されたその力を超不幸な男が解き放ち、世界に復讐しましょう…みたいな話です。
どれくらい不幸かというと、嫁は愛想尽かして失踪、幼い娘のために再婚したら相手は超絶浪費家、娘は事故死して浪費嫁だけが残る、浪費嫁が仕事の同僚(大学教授)と堂々と浮気、研究成果を横流しされて手柄を取られる…と。自業自得の部分もかなりあるので、それで世の中を呪うのはどうですかねぇ…とは思うんですが、そんなものかも。
この作品も序盤からツッコミどころ満載で「それはおかしいやろ」という部分が多いんですが、ノリと勢い重視の作品っぽいので細かいことは気にしない方が良さそう。
少し長くなったので畳みます。
生 [雑記]
今年もおめでとう。
あまり自分で言うことじゃないんですが、今年は結構大作です。一発ネタみたいな感もあるので、出オチ防止にちょっと余白を作らせて頂いて。
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↓
↓
↓
↓
こちらです。
ということで、今年はミケランジェロの「アダムの創造」でございます。システィーナ礼拝堂の天井画として世界的に有名な絵ですね。天井画には旧約聖書の幾つかの場面が描かれていて、アダムの創造はそのうちの一場面なので「この場面単体で一枚の絵」というワケじゃないんですが、一般的にはこれ単体がよく知られていると思います。はい。
本家はこちら。
なにせ500年前の絵ですし、天井画ということで蠟燭のススで汚れたりしますから、全体的に黄ばんで見えるのはそのせいでしょうね。今回の絵では「恐らく描いた当初はこんな感じだったんじゃないかなぁ」という想像の色で空を塗っています。
本家の絵はフレスコ画という手法で描かれています。これはもう単純に技法としてクソ難しいので普通に描くだけでも超絶大変で、詳細は省きますが「乾いちゃいけないのでじっくり時間をかけられない」「実質的に下書き不可」「失敗したらその部分を剥がしてやり直し」という地獄のような手法です。挑戦する気さえ起きませんね。
ミケランジェロはそれを天井に描いたのです。一説によると、天井下に足場を組んで、立って上を向きながら描いたそうな。難しい技法で、恐らく現代のものほど十分でない足場で、無理のある姿勢で、これだけのものを描いた。正直、人間の業ではない。
この「アダムの創造」なんですが、よく見ると輪郭線があります。近代の写実的な絵って基本的に輪郭線が無いんですが、それが始まったのはミケランジェロの後の時代…というか、同期のダ・ヴィンチからなんですよね。彼が「いや、現実世界に輪郭線なんて無いやろ」といってモナリザ等の輪郭線の無い名画を多数生み出したので、それが主流になりました。
それまでの絵だと、例えばボッティチェリの「ヴィーナスの誕生」なんてモロに輪郭線がありますよね。輪郭の無い絵はリアルで良いんですが、輪郭のある絵はなんというか漫画文化と通じるところがあるので、ちょっと親しみやすい感じがしますね。
で、僕の絵の方に戻りますが…今回は動物部分をあまりリアルには描きませんでした。ボディが人間というのもあるし、リアルさよりも神話っぽさを重視しています。なので各動物が何なのかよく分からん感じになっているんですが、一応こんな風になっています。
神:ハツカネズミ
神上部の天使:テンジクネズミ類
神上部中央と下部の天使:クマネズミ
アダム:一般的なイメージのウサギ
となっています。なんで上部中央と下部がクマネズミかというと、神を持ち上げているのでパワー型だよなぁ…という安直な考えだったりするのですが。
ということで解説でした。
改めて、今年もおめでとう。
あまり自分で言うことじゃないんですが、今年は結構大作です。一発ネタみたいな感もあるので、出オチ防止にちょっと余白を作らせて頂いて。
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こちらです。
ということで、今年はミケランジェロの「アダムの創造」でございます。システィーナ礼拝堂の天井画として世界的に有名な絵ですね。天井画には旧約聖書の幾つかの場面が描かれていて、アダムの創造はそのうちの一場面なので「この場面単体で一枚の絵」というワケじゃないんですが、一般的にはこれ単体がよく知られていると思います。はい。
本家はこちら。
なにせ500年前の絵ですし、天井画ということで蠟燭のススで汚れたりしますから、全体的に黄ばんで見えるのはそのせいでしょうね。今回の絵では「恐らく描いた当初はこんな感じだったんじゃないかなぁ」という想像の色で空を塗っています。
本家の絵はフレスコ画という手法で描かれています。これはもう単純に技法としてクソ難しいので普通に描くだけでも超絶大変で、詳細は省きますが「乾いちゃいけないのでじっくり時間をかけられない」「実質的に下書き不可」「失敗したらその部分を剥がしてやり直し」という地獄のような手法です。挑戦する気さえ起きませんね。
ミケランジェロはそれを天井に描いたのです。一説によると、天井下に足場を組んで、立って上を向きながら描いたそうな。難しい技法で、恐らく現代のものほど十分でない足場で、無理のある姿勢で、これだけのものを描いた。正直、人間の業ではない。
この「アダムの創造」なんですが、よく見ると輪郭線があります。近代の写実的な絵って基本的に輪郭線が無いんですが、それが始まったのはミケランジェロの後の時代…というか、同期のダ・ヴィンチからなんですよね。彼が「いや、現実世界に輪郭線なんて無いやろ」といってモナリザ等の輪郭線の無い名画を多数生み出したので、それが主流になりました。
それまでの絵だと、例えばボッティチェリの「ヴィーナスの誕生」なんてモロに輪郭線がありますよね。輪郭の無い絵はリアルで良いんですが、輪郭のある絵はなんというか漫画文化と通じるところがあるので、ちょっと親しみやすい感じがしますね。
で、僕の絵の方に戻りますが…今回は動物部分をあまりリアルには描きませんでした。ボディが人間というのもあるし、リアルさよりも神話っぽさを重視しています。なので各動物が何なのかよく分からん感じになっているんですが、一応こんな風になっています。
神:ハツカネズミ
神上部の天使:テンジクネズミ類
神上部中央と下部の天使:クマネズミ
アダム:一般的なイメージのウサギ
となっています。なんで上部中央と下部がクマネズミかというと、神を持ち上げているのでパワー型だよなぁ…という安直な考えだったりするのですが。
ということで解説でした。
改めて、今年もおめでとう。
格 [雑記]
我ニート、故に時間あり
・今週の読書
いつものアレ。
・僕のアニメランキング
異論は認める。
ほいではぶぶん。
・今週の読書
今週読了した本:
殺人鬼フジコの衝動:真梨幸子
現在読んでいる本:
殺人鬼フジコの衝動(限定版):真梨幸子
インタビュー・イン・セル 殺人鬼フジコの真実:真梨幸子
「殺人鬼フジコの衝動」を読了しました。クソみたいな環境で育った女子が歪みに歪んで欲望の赴くままに殺人を繰り返すという話なんですが、ちょっとしたミステリ要素もあります。全体を通してみれば面白い作品だと言えると思いますが、超絶出来の悪い部分があるので手放しには褒められない感じですね。かなり惜しい作品。
子供時代は文句無しなんですよ。家庭環境や学友たちのクソさや、それによってフジコが腐って行く様子がしっかり描かれていますからね。問題はフジコが大人になっていよいよ殺人鬼になりましたというパートで、ある意味この小説の本編といえる部分なんですが、これが非常にマズい。ぶっちゃけ描写がショボ過ぎるんですよ。
フジコはこれといって格闘技や運動をやっていたワケではなく、太ってもいません。むしろ顔を整形しただけで美人と言われるぐらいですから、恐らく痩せています。そんな痩せ型女性であるフジコが、酔っぱらってもいない男をいとも簡単に殺害します。
ひとりは売春相手の太ったおっさんなんですが、こいつは飛びかかってきたホストを恐らく無傷で殴り倒すぐらいの腕っぷしの強さです。しかしパンスト一本であっさり絞殺。その前にも売春相手を殺していますが、これもあっさり(恐らく素手)。
次は売春斡旋したホストなんですが、そんな男なら荒事も割と見ているはずじゃないですか。それがパンスト一本であっさり絞殺されます。しかも会話中に。その後も美容室に置いてあるようなタオルで絞殺したりと、色々と無茶な描写が続きます。
いずれもフジコが重傷を負ったような記述は無いので、恐らく無傷で成し遂げています。フジコが超絶怪力で、絞殺の技能に熟達していて、男たちが全く無抵抗の紳士だったらまぁそういうこともあるんでしょうけど、それはあまりにも非現実的じゃないですか。
完全に頸動脈を絞めた場合は大体5秒ぐらいで意識を失いますが、道具を使った絞殺の場合はそんなに綺麗に絞める前に抵抗されるし、かといって素手だと痩せ型女性の腕力じゃ簡単に抵抗されるし、逆にボコボコにされたうえレイプされるのがオチです。相手が酩酊や睡眠状態でもない限り、絞殺なんてとてもじゃないですが無理なんですよ。
フジコの体格で絞殺しようとする場合、背後からなんとか上手いこと首に巻き付けて、そのまま背負い投げスタイルで体重をかけていい感じに頸動脈を絞めるというのが一番成功率の高い方法だと思いますが、そうやったのかなぁ…そんなことができる状況なら椅子等で後頭部をぶん殴ってから頸椎折る方が楽だと思いますけど。
あとは包丁?で旦那を刺殺するんですが、これも直後の描写からすると無傷か軽傷で達成しています。いや、包丁って一撃必殺の武器じゃないんで、そりゃ無理ですよ。しかもこの旦那、元々はヒョロい実業家ですが、殺害当時は工事現場で働く土方です。
といったように、フジコがまるで闇の組織で訓練を積んだアサシンかのような殺人を繰り返すんですね。著者はバイオレンスの描写が苦手なのかな。
この部分を抜ければあとはエンディングなんですが、そこはとても綺麗にまとまっています。思わず「お、これは上手い」と思ってしまうぐらいに。終わりよければすべて良し!というのであれば、良しです。終盤の出来事は忘れましょう。
今日からは「限定版」と「インタビュー・セル(略)」を読んでいます。限定版も内容は同じですが、60P程度の小冊子が付属しており「インタビュー」への導入になっている…らしいです。とりあえず小冊子を読了しましたが、ここからどう展開して行くのか。
この時間軸ではフジコは既に逮捕されているので、フジコの物語ではなさそうです。でもタイトルはフジコだしなぁ…どうなんでしょう。「フジコは登場しないけど、フジコの名前を入れた方が売れるからそうした」という可能性もあるのですが。
以下、ちょっと長いかもしれないので畳みます。
・今週の読書
いつものアレ。
・僕のアニメランキング
異論は認める。
ほいではぶぶん。
・今週の読書
今週読了した本:
殺人鬼フジコの衝動:真梨幸子
現在読んでいる本:
殺人鬼フジコの衝動(限定版):真梨幸子
インタビュー・イン・セル 殺人鬼フジコの真実:真梨幸子
「殺人鬼フジコの衝動」を読了しました。クソみたいな環境で育った女子が歪みに歪んで欲望の赴くままに殺人を繰り返すという話なんですが、ちょっとしたミステリ要素もあります。全体を通してみれば面白い作品だと言えると思いますが、超絶出来の悪い部分があるので手放しには褒められない感じですね。かなり惜しい作品。
子供時代は文句無しなんですよ。家庭環境や学友たちのクソさや、それによってフジコが腐って行く様子がしっかり描かれていますからね。問題はフジコが大人になっていよいよ殺人鬼になりましたというパートで、ある意味この小説の本編といえる部分なんですが、これが非常にマズい。ぶっちゃけ描写がショボ過ぎるんですよ。
フジコはこれといって格闘技や運動をやっていたワケではなく、太ってもいません。むしろ顔を整形しただけで美人と言われるぐらいですから、恐らく痩せています。そんな痩せ型女性であるフジコが、酔っぱらってもいない男をいとも簡単に殺害します。
ひとりは売春相手の太ったおっさんなんですが、こいつは飛びかかってきたホストを恐らく無傷で殴り倒すぐらいの腕っぷしの強さです。しかしパンスト一本であっさり絞殺。その前にも売春相手を殺していますが、これもあっさり(恐らく素手)。
次は売春斡旋したホストなんですが、そんな男なら荒事も割と見ているはずじゃないですか。それがパンスト一本であっさり絞殺されます。しかも会話中に。その後も美容室に置いてあるようなタオルで絞殺したりと、色々と無茶な描写が続きます。
いずれもフジコが重傷を負ったような記述は無いので、恐らく無傷で成し遂げています。フジコが超絶怪力で、絞殺の技能に熟達していて、男たちが全く無抵抗の紳士だったらまぁそういうこともあるんでしょうけど、それはあまりにも非現実的じゃないですか。
完全に頸動脈を絞めた場合は大体5秒ぐらいで意識を失いますが、道具を使った絞殺の場合はそんなに綺麗に絞める前に抵抗されるし、かといって素手だと痩せ型女性の腕力じゃ簡単に抵抗されるし、逆にボコボコにされたうえレイプされるのがオチです。相手が酩酊や睡眠状態でもない限り、絞殺なんてとてもじゃないですが無理なんですよ。
フジコの体格で絞殺しようとする場合、背後からなんとか上手いこと首に巻き付けて、そのまま背負い投げスタイルで体重をかけていい感じに頸動脈を絞めるというのが一番成功率の高い方法だと思いますが、そうやったのかなぁ…そんなことができる状況なら椅子等で後頭部をぶん殴ってから頸椎折る方が楽だと思いますけど。
あとは包丁?で旦那を刺殺するんですが、これも直後の描写からすると無傷か軽傷で達成しています。いや、包丁って一撃必殺の武器じゃないんで、そりゃ無理ですよ。しかもこの旦那、元々はヒョロい実業家ですが、殺害当時は工事現場で働く土方です。
といったように、フジコがまるで闇の組織で訓練を積んだアサシンかのような殺人を繰り返すんですね。著者はバイオレンスの描写が苦手なのかな。
この部分を抜ければあとはエンディングなんですが、そこはとても綺麗にまとまっています。思わず「お、これは上手い」と思ってしまうぐらいに。終わりよければすべて良し!というのであれば、良しです。終盤の出来事は忘れましょう。
今日からは「限定版」と「インタビュー・セル(略)」を読んでいます。限定版も内容は同じですが、60P程度の小冊子が付属しており「インタビュー」への導入になっている…らしいです。とりあえず小冊子を読了しましたが、ここからどう展開して行くのか。
この時間軸ではフジコは既に逮捕されているので、フジコの物語ではなさそうです。でもタイトルはフジコだしなぁ…どうなんでしょう。「フジコは登場しないけど、フジコの名前を入れた方が売れるからそうした」という可能性もあるのですが。
以下、ちょっと長いかもしれないので畳みます。
脱 [雑記]
睡眠中に水分補給する放置が必要
・今週の読書
いつものアレ。
・何もない
マジで何もない。
ほいではじゃらん。
・今週の読書
今週読了した本:
盲獣・陰獣:江戸川乱歩
現在読んでいる本:
殺人鬼フジコの衝動:真梨幸子
「盲獣・陰獣」を読了しました。収録作品は100年近く前に書かれたものですが、現代でも通用する内容ですね。盲獣は盲目の変態による猟奇殺人を描いた作品で、シチュエーションの古さは否めないのですが変態度合いは現代レベルなので現代劇としてリメイクしたらかなり面白いかも。陰獣は正統派推理小説で、こちらの方が出来が良いです。
例えば村上春樹の「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」のような100年後の人類にもぜひ読んでもらいたい本という程ではないんですが、実際に100年後の僕が読んでもボチボチ面白かったので良作ではあると思います。
100年後に通用するものを100年前に書ける江戸川乱歩が凄いのか、100年後も通用してしまうぐらい我々が進歩していないのか、どっちなのだろうか。
今日からは「殺人鬼フジコの衝動」を読んでいます。まだ序盤ですが、これは面白い…420Pなので1日60Pなんですけど、うっかり120P読んでしまいました。
内容はクソみたいな両親の元に生まれ、クソみたいな同級生に囲まれて育ったフジコの殺人の記録みたいな感じのようです。まだ殺人鬼になる前までしか読んでいないのでアレですが、両親のクソさと同級生のクソさは凄くよく描けています。かなり胸糞悪い内容なので、心優しい方にはオススメできません。本気で腹が立つと思うので。
この本には限定版というものも存在していて、そちらにはエピローグ後を描いた短編が付属しているみたいなんですよ。本当はそちらが良かったのですが、貸し出し中だったので通常版に…いま見たら返却されていたので、1週間待った方が良かったかなぁ。
でも限定版に付属している短編は別冊なんですよ。これって図書館だとどういう扱いになるんでしょうかね?あくまで貸し出しは本体だけということなら限定版も通常版も内容は同じですし、別冊もあわせて2冊セットで貸し出しとなると管理が難しいような気がするんですが…うーむ、気になる。そういう意味でも限定版を借りるべきだったかもしれない。
以下、物騒な話になったので畳みます。
・今週の読書
いつものアレ。
・何もない
マジで何もない。
ほいではじゃらん。
・今週の読書
今週読了した本:
盲獣・陰獣:江戸川乱歩
現在読んでいる本:
殺人鬼フジコの衝動:真梨幸子
「盲獣・陰獣」を読了しました。収録作品は100年近く前に書かれたものですが、現代でも通用する内容ですね。盲獣は盲目の変態による猟奇殺人を描いた作品で、シチュエーションの古さは否めないのですが変態度合いは現代レベルなので現代劇としてリメイクしたらかなり面白いかも。陰獣は正統派推理小説で、こちらの方が出来が良いです。
例えば村上春樹の「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」のような100年後の人類にもぜひ読んでもらいたい本という程ではないんですが、実際に100年後の僕が読んでもボチボチ面白かったので良作ではあると思います。
100年後に通用するものを100年前に書ける江戸川乱歩が凄いのか、100年後も通用してしまうぐらい我々が進歩していないのか、どっちなのだろうか。
今日からは「殺人鬼フジコの衝動」を読んでいます。まだ序盤ですが、これは面白い…420Pなので1日60Pなんですけど、うっかり120P読んでしまいました。
内容はクソみたいな両親の元に生まれ、クソみたいな同級生に囲まれて育ったフジコの殺人の記録みたいな感じのようです。まだ殺人鬼になる前までしか読んでいないのでアレですが、両親のクソさと同級生のクソさは凄くよく描けています。かなり胸糞悪い内容なので、心優しい方にはオススメできません。本気で腹が立つと思うので。
この本には限定版というものも存在していて、そちらにはエピローグ後を描いた短編が付属しているみたいなんですよ。本当はそちらが良かったのですが、貸し出し中だったので通常版に…いま見たら返却されていたので、1週間待った方が良かったかなぁ。
でも限定版に付属している短編は別冊なんですよ。これって図書館だとどういう扱いになるんでしょうかね?あくまで貸し出しは本体だけということなら限定版も通常版も内容は同じですし、別冊もあわせて2冊セットで貸し出しとなると管理が難しいような気がするんですが…うーむ、気になる。そういう意味でも限定版を借りるべきだったかもしれない。
以下、物騒な話になったので畳みます。