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アルジャーノンに花束を - 読了 [学問]

じゃあ、僕はまんじゅうを。

昨年7月、第1回書籍大量購入祭りにて入手した本でございます。
1年も経つのに、未だに感想文未完のものが3冊も…バリバリ書かねば('A`)

「アルジャーノンに花束を」は文庫版で485頁の長編小説。
僕が持っているのは単行本で、1頁の字数は文庫版と大して違わないはずなんですが
319頁しかありません…この差はなんなのでしょうか。後書きがめちゃくちゃ多いのか?

内容はというと、精神遅滞の青年が手術によって高い知能を手に入れるというお話で
差別的な表現が多々あるため、人によっては嫌悪感を覚える内容だと思います。

ただ、問題となるであろう表現をぼかして描いてしまうと、真意が伝わらない。
読者が差別について何らかの関心を持ち、一考するためにはその表現が必要であり
それは誰かを攻撃したり、卑下する意図で書かれたものではないのです。

ただ感動を得るために作中の人を殺したり、不治の病を患わせたりするのであれば
それは人の不幸をダシにして富を得ようとする、低俗な表現と言えるでしょうけれど
そこに正義に基づいた意志があるならば、否定されるべきではないと思います。
(死んだり病を患ったりするのは架空の人物ですが、同じ状況に置かれた人は
世の中に沢山いて、それらの人にとってはそれは架空の人物ではありえない)


と、長くなりましたが内容に触れてゆくとしましょう。
 
 

以下、ネタバレを含みます。


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モモ - その後の考察 [学問]

時は金なり、金は時に非ず。

ミヒャエル・エンデ著「モモ」の本当のテーマとはなんだったのか…
それは『利子が利子を生む経済システムへの疑問を抱かせること』だとか。(Wikipediaより)

灰色の男は、時間銀行のシステムをこのように説明しました。(意訳)

『私たちは、あなたの時間を預かるだけでなく利子までお付け致します。
もしもあなたが預けた時間を5年間引き出さずにいたら、預けた時間と同じだけの時間を
利子としてお支払い致します。あなたの財産は5年で元の2倍、10年で4倍、40年後には
なんと256倍にもなるのです!』

定期預金みたいなものですね。
数字が大げさなのは、本当のテーマを浮き彫りにするためでしょう。

5時間預けると、5年後に5時間の利子がついて10時間になります。
更に5年後には元金である5時間と5年分の利子である5時間が更に倍になり20時間。

元金だけで考えるなら5年後にも5時間、10年経っても5時間であるはずですよね。
つまり、この差額の15時間は無から生まれた時間なんです。

エンデは「時間」に置き換えて表現していますが、これはまさに「金」のことでしょう。
無から生まれた金…金とは一体なんなのか。

金、それは労働の対価です。
労働力を支払うことによって金を得ることができ、その金をまた別の労働力と交換します。

仕事(自分の労働) → 給料(労働と金を交換) → 食料購入(農家の労働と金を交換)

このように、労働は金を介して労働と交換されます。
では、無から生み出された「利子」という金は一体何の対価なのでしょうか?
銀行員の労働の対価だというのなら、利子は「支払うもの」であるべきです。

では、なぜ預けた人が貰えるのか?
預金というのは、金貸しなんですよ。預けることによって銀行に金を貸しているんです。
だから銀行は利子を支払ってくれているんですよね。(二束三文ですが)

じゃあ銀行はそんなに金を借りて何をしているのか?
銀行は、借りた金を貸して利益を得ています。他にも色々とやってはいますけど。

銀行は集まった金を使って莫大な金額の貸し付けを行います。
そこに発生する利子は現在の労働力では返済不能な金額であるため、借り手は必ず返す
という約束を担保に借りることとなります。住宅ローン等もコレですね。
つまり、金と架空の労働力を取引しているんです。(これらは信用で代用されます)

こうなってくると、金は労働の対価であるという単純な図式が崩れてきます。
数字の上では何兆円もの金が存在したとしても、「現在の労働力」はその対価としては
現存しないものなんです。未来の労働力を前借しているのですから。


結局のところ、架空の金、労働力が存在することにより金と労働の関係は複雑化するのです。
これらを産むのは利子だけではありませんね、「現実の金」以外の全ての金の問題です。
これが良いのか悪いのかは僕にはわかりませんが、このような架空の金、架空の労働力が
増え続けるのであれば、いずれは破綻する時が来るでしょう。

だって、絶対に現実世界と帳尻が合わないのですから。
永遠にマネーゲームをやっているだけなら良いのでしょうが、現実はそうはいかないのでは。
いずれ、転機が訪れるのでしょう。僕が生きている内には無さそうですが…


と、つらつらと書いたものの結構間違っている部分も多々あるかと思います。
有識者の方々、どうぞお手柔らかに('`)

追記:
考えが纏まらないままに勢いで書いてしまい、とても読めたものではなかったので
言葉選びを少し変更しました。意味合いは当初のままです。
また、僕の意見を全く書いておりませんでしたので少し書こうと思います。

恐らく利子自体には何の問題もない。
利子は「労働力の対価でなく、どこかから生まれた謎の金」という不気味な存在ですが
実は無理に労働と結びつけようとするから不気味な存在になるのだと思うのです。

利子というのは、感謝の対価なんです。
「貸してくれてありがとう」という気持ちが利子の源になっているのではないかと。
そう考えると、利子というものはあって当然のものであると理解できます。

結局のところ、利子が利子を生むというと不自然に思えますが、かつて利子であった金は
一旦は貸し手の財産になっているので、利子が利子を生んだわけではないのです。
利子が財産となり、財産が利子を生む…と。

しかしながら、ここにはやはり大きな問題があります。
労働力は物理的なものなので有限ですが、感謝の気持ちは精神的なものなので無限です。
そして双方の対価である金には「労働力の対価」と「精神の対価」の区別がありません。
つまり、有限であるものと無限であるものが金という存在によって統一されてしまうのです。

金は不死身の存在です。貨幣価値の変動に影響されるものの、消失することはありません。
有限…つまり不死身でない労働力と、無限…つまり不死身である精神が不死身である金に
統合されることによって、死すべき労働力は永遠の命を得るのです。

これは利子の問題ではなく、金そのものの問題です。
もっと深く掘り下げることで、何かが見つかりそうな気はするのですけれども…
これから筋トレなので、今日はここまでということで('w`)
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モモ - 読了 [学問]

僕は梨が好きです(゜д゜)

この本を読み終えたのは7ヶ月ほど前、時間の経過がとてつもなく早い…
空き時間を貯蓄しておくことができれば、時間をもっと有効に使えるのに('`)

「モモ」は400頁程度(※)の児童文学作品。著者はドイツ人作家ミヒャエル・エンデ。
1973年に発刊されて以来、根強い人気を誇る作品です。
※僕の手元にあるのは大判なのですが、文字数は文庫サイズと同じです。字が大きい。

児童文学作品ですから、子供をメインターゲットとしたストーリーになっているのですけれども
その内容はとても奥深く、むしろ大人が読むべき本なのではないかなと思います。
生活とは、幸福とは、時間とは何なのか。そしてこのお話の本当のテーマは…

では、内容に触れてゆくとしましょう。
 
 

以下、ネタバレを含みます。


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1984年 - 読了 [学問]

僕は1982年生まれです(゜д゜)

これを読み終えたのは秋も深まった頃…段々と今に近付いてきましたね('w`)
この調子なら、そう遠くないうちに感想文を書ききることができそうです。

「1984年」は文庫サイズで409頁の長編小説。著者はジョージ・オーウェル。
執筆された年は1948年ですから、30年以上もの未来を描いていることになります。

海外ではかなりの評価を得ている作品のようで、Wikipediaによると…

1998年にランダム・ハウス、モダン・ライブラリーが選んだ「英語で書かれた20世紀の
小説ベスト100」、2002年にノルウェー・ブック・クラブ発表の「史上最高の文学100」に
選出されるなど、欧米での評価は高く、思想・文学・音楽など様々な分野に今なお多大な
影響を与え続けている。


娯楽というよりは、政治的な思想をテーマとしたメッセージ性の強い作品となっています。
そういったものが苦手な方はご注意を。

では、内容に触れてゆくとしましょう。

 

以下、ネタバレを含みます。


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若きウェルテルの悩み - 読了 [学問]

若くないCaelumにも悩みはあるのだ(゜д゜)

これまた去年の夏ごろに読み終えたのですが、ようやくの感想文でございます。
まだしっかりと内容を覚えているあたり、いわゆる「印象に残る本」であったことは
間違いの無いところでございましょう。

「若きウェルテルの悩み」は文庫サイズで185頁の中編小説。
著者はヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ。その名はどなたもご存知でしょう。

この小説は、書簡体という一風変わった形式で綴られています。
いや、実はこれも割とポピュラーな(作品数の多い)形式であるのかもしれませんけれど
読書経験の浅い僕にとっては、ユニークな形式でございました('w`)

こういった形式の文章は初めてでしたので、読み慣れないうちは大変でした。
なんといっても、相手の無い会話…いや、相手はあるのですが、自分(小説の語り手)からの
返信は一切掲載されませんので、文章からは物語りの片側しか知る事が出来ません。

このため、実際にウェルテルの友人、もしくは語り手の関係者となったつもりで読まないと
全く意味がわからないのです。そういう意味では、小説を読みなれた方向けの作品ですね。

では、内容に触れてゆくとしましょう。
 
 

以下、ネタバレを含みます。


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