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古事記 - 読了 [学問]

あまり触れない方が良い話題なんですが('w`)

先日、古事記物語(少しやさしく翻訳された古事記)を読み終えました。
古事記が編纂されたのが712年ですから、今年でちょうど1300年目を迎えます
縁のある土地では、これにちなんだイベントも催されているようですね。

文字数は120,000程度、原稿用紙にして300枚分となかなかのボリュームですが
現代人にもわかるように翻訳されていますから、とても読みやすかったです。
(元々いくらか知っていたのでアレですが、そうでなくとも読みやすいかと)

では、内容に「少しだけ」触れて行きます。

  
本物の古事記は上中下巻に分かれております。(この本では1冊にまとめられています)

上巻は主に神話の時代のお話を。
天地開闢から天孫降臨、そのちょっと先までのお話です。
有名な話ばかりなので、読んだことは無くとも大体知っているという方も
多いのではないでしょうか。(ヤマタノオロチとかのお話です)

中巻は天皇による日本平定のお話を。
初代天皇である神武天皇から15代の応神天皇までのお話ですが
こちらはいくらか神話色の強いものとなっています。

下巻も天皇による日本平定のお話を。
16代天皇である仁徳天皇から33代の推古天皇までのお話であり
中巻に比べると人間らしいというか、この世の出来事らしいですね。

本来は歴史資料として、または日本とは何たるかを知るための資料として
読むべきなのかもしれませんが、ここではそういった話はしません。
そういう話をすると、色々な問題が起きかねないからです(;´д`)

物語としてどうなのか、それだけを書きましょう。

まず上巻ですが、これは神話としてはとても面白いものだと思います。
登場人物はすべて神であり、人間が一切登場しないのも面白いところですね。

序盤の主役のイザナギ(伊邪那岐命)にはイザナミ(伊邪那美命)という奥さんがおりまして
この2人の神によって日本列島が生まれ(天地開闢)、かの有名な三貴子が生まれます。
※三貴子:アマテラス(天照大神)、ツクヨミ(月読命)、スサノヲ(須佐之男命)

この2神が兄妹であるという説もありますが、恐らく神には遺伝子という概念が無いので
親子でも兄妹でも何ら問題は無いでしょう。(倫理だって、人間のそれとは別物でしょう)
仮に遺伝子があったとしても、完全な存在である神に「不利な遺伝子」なんていうものが
存在することも無いでしょうから、近親交配による弊害は無いのでしょう。多分。

三貴子が生まれるに至るエピソードは、女性が読むと少しイラッとするかもしれません。
というか、古事記全般がそういった類の話ではあるのですが。

イザナギ、イザナミの後はアマテラスとスサノヲを中心とした話になります
兄弟神のツクヨミは一切登場しません…なんという扱いの酷さか(;´д`)

ここからはスサノヲによるヤマタノオロチ(八岐大蛇)退治であったり
オオクニヌシ(大国主神)による因幡の白兎のお話や、葦原中国の平定
アマテラスの孫であるニニギ(邇邇芸命)の活躍(天孫降臨)といった有名な
説話が続き、ウガヤフキアエズ(鵜草葺不合命)の誕生で上巻が終わります。

このウガヤフキアエズの子こそがカムヤマトイワレヒコ(神倭伊波礼琵古命)
つまり、初代天皇にして中巻序盤の主役である神武天皇です。
はい、名前が長過ぎて覚えきれません。

中巻は神話色も強く、物語として楽しめます。
ただ、ここから先は人間的なお話(言い換えれば、政治的なお話)が増えてくるので
純粋な神話としての楽しみ方は出来なくなってきますね。下巻は更にそれが加速します。


古事記編纂1300年という区切りの年でもありますし、まずは上巻だけでも
読んでみるというのもいいかもしれませんネ。

古事記物語
http://www.aozora.gr.jp/cards/000107/card1530.html
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レンジ

ほんまうれしかったです。ありがとうございました!
古事記とか読んだ事なかったわってみんなでびっくりやなって話したんです。難しそうやけど挑戦してみます。うちは本とか読んだ事無いんですけど。時間が足りへんくて。
もいっこのお礼なんですけど…
あんま言われへんから、進路を決めた理由をかっこいいって言ってくれたんが、ぽわーちゃんとCaelumさんだけやって、めちゃめちゃうれしかったんです。そんなん誰も言ってくれへんくて、うちもあほやったかなってちょっと思ってたんです。いっぺんちゃんと言いたかったんです。
ぽわーちゃんはみんながなんか世話したくなる子やから、なんか要領よくがんばってます。めちゃめちゃいつも誰かいてるけど、いつも誰かの自慢話して、ぽわぽわ照れてます。
長くなってしまってすいません。

by レンジ (2012-07-22 18:49) 

プースケ

こんばんは(^_^)
昨年は宮崎方面を旅して、高千穂など神話に触れる機会が
多かったです。天孫降臨という名前の焼酎も見かけました♪
古事記もよ~く読み進めれば面白そうですね。登場人物の
名前を覚えるのが少し難しそうですがヤマタノオロチなどの
話も興味深いです(*^_^*)

by プースケ (2012-07-23 20:59) 

Caelum

こんばんは、因幡の腹黒兎Caelumです(・x・)

>>レンジちゃん
古事記は小学校、中学校辺りの社会科で少し登場する程度で
日本史を専門的に学ばない限り、縁遠い物なんですよねぇ。

古事記を扱うとなると、どうしても宗教に触れざるを得ないので
日本の教育制度では、扱い辛いという事なのでしょう。
神道には経典がありませんが、古事記は事実上の経典ですからね。

神道と天皇、これらは本来はそれぞれ別物であるはずなのですが
実質的に切り離す事は不可能です。
よって、古事記を学ぶ事は宗教を学ぶ事となってしまう…と。

この辺り、あまり書くと命に関わるのでここまで…('`)

>進路を決めた理由
カッコいいその理由について、レンジちゃん自身が自信を持つ事。
それが何にも勝る、一番カッコいい事ですよ(*´ー`)

自信を持つには努力が必要だったりするのですが、レンジちゃんは
ずっと努力を積み重ねて来たわけじゃないですか。
だから胸を張ればいいんです、自信を持って進めばいいんです!

>ぽわーちゃん
うんうん、皆と仲良くやっているようで何よりです
自慢話の誰かは、ホントに幸せものですナ('w`)

by Caelum (2012-07-23 22:50) 

Caelum

>>プースケさん
神話の地は何やら賑わっているようですもんね(´ω`)
日本唯一の歴史書(日本書紀もですが、ほぼ同内容なので)なのに
あまり読まれていないであろう古事記ですが、読んでみると中々
面白いものだったりするんですよね。

古事記を読んで神話の知識を得た上で、神話の地を巡ってみると
色々と感じるものがあるのではないかなぁと思いますだ。

>天孫降臨
テレビCMでも時々見かけますよね!
でも、これが神話由来だというのはあまり知られていないのかも…
以前聞いてみたところ、僕の世代の人は殆ど知らなかったので('`)

神道云々を抜きにしても、読み物として十分に楽しめる内容なので
機会がありましたら是非に(´ー`)b

by Caelum (2012-07-23 22:55) 

ひめ

古事記、日本書紀などなど、好きです♪
名前の漢字だけでも、何通りもあって面白いですよね。
エピソードも、諸説(解釈?)イロイロあるので、
その辺がまた、面白いです♪


by ひめ (2012-07-24 20:12) 

サンダーソニア

宗教にかかわる話になると
必死になる方たちがいますから
気を使いますね。

by サンダーソニア (2012-07-24 20:17) 

Caelum

>>ひめさん
確か、古事記では万葉仮名を用いて記述されているものが
日本書紀では漢語で記述されていたりするんですよね。
なんとなく、日本書紀の方が派手な印象を受けます(´ー`)

>解釈イロイロ
日本書紀は異伝がありますもんね、伝記的性質の古事記と違って
日本書紀は政治的文書という位置付けであるという説もありますし
そのために色々な異伝が書かれたのでしょうね。

そのままではマズい部分もたくさんあった事と思われますゆえ
より政治に有利な内容を書こうとしたのかなと。

by Caelum (2012-07-25 21:11) 

Caelum

>>サンダーソニアさん
いやー…そこはノーコメントで(;´ー`)
でもアレですよね、宗教というものは人の心の支えであり
本質を説くもの。今の乱れた日本に最も必要な物なのかも。

by Caelum (2012-07-25 21:13) 

マチャ

こちら奈良では、古事記編纂1300年でいろいろとやってます。
でも、遷都1300年に比べるとだいぶ地味ですね・・・
決して盛り上がってる感じではないのが、歴史ファンとしては
残念です(苦笑)

解釈が様々なのが、魅力でもあり難しいところでもありますね。
物語としてみると、とても面白いと思います。

by マチャ (2012-07-27 10:56) 

Caelum

>>マチャさん
日本という国への影響度(というとちょっと適切ではないですが)で
考えると遷都よりも大きな出来事だと思うんですけど、地味ですよねぇ('`)
日本書紀が1300年目を迎える2020年は、もう少し盛り上がるのでしょうか。
でもなぁ…うーむ、やはり宗教色が濃いからかなぁ。

物語としてはとても面白いですよね、政治うんぬんを抜きにして
楽しんでもらえたら良いなとは思うのですけれども。

by Caelum (2012-07-28 20:28) 

ぷち

Caelumさんは、ほんまいろんなジャンルの本を読んでますね。
うちの中では、古事記は書物ではないものになっていました。
ってか、古事記って言葉も久々に聞きました。
これを読んだら、新たな知識が加わるのでしょうが、
はてさて、うちは読めるのか。。。

by ぷち (2012-07-29 12:13) 

Caelum

>>ぷちさん
そうですねぇ、興味の赴くままに読んでます('w`)

>古事記は書物ではない
古事記は歴史の授業で登場するせいか、何となく歴史書のような
イメージがありますけれども、ギリシャ神話や北欧神話と同じような
ものであると言った方が適切ですかなー。

読むことで新たな知識を得るのは確かですが、そういった事よりも
娯楽として楽しむという気持ちで読んだ方がいいかもですぞ(´ー`)

by Caelum (2012-07-31 22:17) 

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