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ずんどこべろんちょ [雑記]

良いものは時が経っても良いものであり続ける…こともある。

今週はこんな内容です。

・質と量
絵の話。でもないかもしれず、万事に通ずることではある。
先週と似たような話になってしまいましたが、より詳しく書いています。

・今週の進捗
絵の話。いつものです。先週に引き続き全裸。

絵の話は「誰向けやねん」って話が多いですが、これらは基本的には僕の思考整理用のメモであり、たまたまこのブログに流れ着いたお絵描きさんにもちょっとだけ役に立つかもしれない程度の内容となっております。クソ長い割に役立たなかったらごめんね。

ほいでは今週はいきなり畳んで参ります。







  
はい、続きです。

・質と量
質を重視するか、量を重視するか。
多くの場合、内容(事象)によってどちらを重視するべきかを選択していると思うので「必ず質だ」とか「必ず量だ」という方は少ないんじゃないかと思うんですが、絶対にどちらか一方を選べという話になると量が勝つんじゃないかなと思っちょります。

もう少し正確に言うと「粗悪品ではなく、ある程度の品質のものならば量が勝つ」でしょうか。粗悪品はどれだけ大量にあろうとも無意味なので。その「ある程度」というのが人によって違うので、非常に曖昧ではあるんですが。

食品、衣料品、娯楽、いずれも量の勝利です。学習(経験)のような非物質は量の勝利とは言い難い部分もありますが、究極の1回よりも並の100回の方が有効な場面の方が多いような気はします。究極の1回が有効なのは最上位に近いレベルに達した人のみであり、大体の人はそこまで到達できないため並の100回の方が効果があるんじゃないかなと。

なぜ量が質に勝るのか。
生産者目線と消費者目線で違うので、それぞれ分けて考えると…

生産者:
・品質が向上するほど開発コストが膨大になるから。
→生産量10、品質1の商品を生産量10、品質2にするのはさほど難しくはない。
→生産量1、品質10の商品を生産量1、品質11にするのは非常に難しい。

・高品質なものは量産できないから。
→生産量10、品質1の商品を生産量20、品質1にするのはさほど難しくはない。
(資金を投入して生産ラインを増やせばよい)
→生産量1、品質10の商品を生産量2、品質10にするのは不可能に近い。
(品質10の商品を生産できる職人を育てるには長い年月と莫大な資金が必要)

・品質を上げてもコストに見合わないから。
→品質1の商品を品質2にした場合、多くの人が変化に気付く。
→品質10の商品を品質11にした場合、専門家でないと変化に気付かない。
(ハイレベルなものは理解するためにハイレベルな知識を要求される)

・生産量が増えるほど1つあたりのコストを低減できるから。
→食品や衣料品の原料はもちろんのこと、娯楽やイラスト等もテンプレ化することで生産コストが下がる。無形サービスにもある程度は当てはまる。

・多くの人に普及した方が認知度が上がるから。
→世界の大部分の人は庶民であるため、庶民が手に取れるものでないと普及しない。普及させずに認知度を上げようとすると「誰もが憧れる高級ブランド」になる必要があるが、そのためには様々な力が必要になる。宣伝力、忍耐力、強運など。

他にもあるかもしれませんが、とりあえずこんなところで。

消費者:
・量が少ないと困るから。
→この世の大半のものは消耗品であるため、ある程度の量が必要となる場合が多い。食品、衣料品はもちろんのこと、娯楽であっても消費(クリア)してしまえば新しいものが必要となる。上の通りこの世の大半の人は庶民であり、高品質なものを必要な分だけ用意するのはキツい。このため、量産品を利用しないと不都合が生じる。

・コストの割に満足度があまり変わらないから。
→上の通りハイレベルなものを理解するにはハイレベルな知識が必要となるが、普通はそのような知識は持っていない。例えば、品質1から品質6への買い替えならば満足度は十分に高まるが、品質10から品質15に買い替えても満足度はほぼ変わらない。

→高級品を買ったら満足度が高まるというのは「有名な、高級なものを買った」という印象に対する満足度であり、品質に対する満足度ではない場合が殆ど。多くの人は「超高品質で、超高価で、超マイナーなもの」を購入する気にはならないはず。これを購入する気になるのは品質を理解することのできる知識の持ち主だけである。

消費者側(というか僕)はこの2つですね。


という感じで、どちらにとっても量の方が重要です。ところが、この2つに当てはまらない第三勢力が存在していて、その人々にとっては質の方が重要なのです。

探求者:
適切な言葉が思い浮かばないので「探求者」としましたが、これは「職人」「芸術家」といった真の探求者から「オタク」「妄想家」といったアレな人までを含む「コダワリの強過ぎる人々」のことだと思って頂ければ。ちなみに僕は「重度の妄想家」です。

・高品質じゃないと気に入らないから。
生産型の探求者である「職人」などはもちろんのこと、消費型の探求者である「オタク」にとっても品質は超重要なポイントとなります。コストがどうとか、そんなことは関係ありません。高品質でなければ生産する、あるいは所有する意味がないのです。

この1点のみです。「気に入らない」ただそれだけの理由です。


はい、ここまでが前フリです。やっと本編に入ります。

最近、やけに評価評価書いているじゃないですか。でも、別にもっと評価してくれ!とかそういう話じゃないんです。いやまぁ、して貰えたらその方がいいですが。

これまで「AIに追いつかれるから」「褒めて貰いたいから」といった感じでいくつか理由を書きましたが、今回のが一番大きいかなと思います。AIに追いつかれるより、褒めて貰えないより、もっと恐ろしい理由があるのです。

ちょっと前に市場調査をしていた際に「僕と同じジャンルで、僕より数段上手いのに全然評価されていない方」をかなり見かけまして、ちょっと怖くなってきたんですよね。

この方々は恐らく凄い努力をしてこんなに上手くなったのに、全然見て貰えていない。本人がそれでも良いというなら良いのでしょうが、僕だったら虚無感ヤバいだろうなと。

そしてちょっと嫌味っぽく聞こえるかもしれませんが(もちろんそんな意図は無いですが)、遥かに格下の僕の方が評価が高いという事実。自分が評価されて嬉しいという気持ちは一切無く、あまりにも理不尽過ぎて怒りが込み上げてきてしまいました。

僕の絵が好きな人もいるとかそういう話もあるにはあるのでしょうが、好みとかそういうレベルの差ではないのです。明らかに技術力が違う。ひと目見れば誰でも分かるぐらい、格が違うのです。でも「全然見られていない」ので誰もそれが分からない。

怖くないですか?これ。努力は絶対に報われるワケではないし、自分の力ではどうにもならないことも沢山あります。でも、ハッキリと「努力しても誰にも伝わらないかもしれんよ」と突き付けられるのはなかなかに辛いものがあります。僕の場合は「誰にも伝わらない」ということは100%無いので、そこは安心ポイントなんですけれども。

あとはまぁ「PixivやTwitterってそういうものだから」と言ってしまえばそれまでですし、それらの評価が絶対的な指標でもありません。ぶっちゃけこれらは本人の知名度、コミュ力の影響が強過ぎるので、埋もれている実力者はむちゃくちゃいます。
(逆に、実力者ではないがむちゃくちゃ伸びている方も沢山いる)

「気にする必要は無い」「でも気になる」ってコトなんですよね。
表現者(一応はそのつもり)であり続ける以上は、これはどうしても捨てられない。だって、誰にも見られなければ「表現できていない」じゃないですか。表現って誰かに感じ取って貰えなければそこに存在しているとは言えないじゃないですか。

そういうワケで、評価して貰えるかどうかはさておき「見て貰える戦略」を日々模索しているということでございます。見て貰えなけりゃ始まらないので。
もちろん「上手くなる」が一番大事ですが、前回書きました通りコレも大事なのです。

で、ここからが真の本編です。


上で「質より量、ただし最低限の質は確保せよ」みたいな話を書いたじゃないですか。コレって実はお絵描きさんにも言えることなんですよね。

1年に1回のペースで自己最高の絵を投稿するより、1ヶ月に1回のペースで超頑張った絵を投稿した方が喜ばれます。2週間に1回のペースで結構な力作を投稿すればもっと喜ばれ、1週間に1回のペースでボチボチの絵を投稿すれば更に喜ばれます。

ペースが速まるほどクオリティの低下が顕著になってくるので、3日に1回とか、1日に1回とか、そういうのは歴戦のツワモノじゃないと無理ですね。僕のような雑魚がそれをやってもゴミを量産するだけなので逆効果です。1週間に1回が限界ですかな。


クオリティ向上についても上の通りで、上がれば上がるほどちょっと上げるためにもコスト(時間とか)が掛かってくるわけです。1週間の絵と2週間の絵を比べてもクオリティは2倍になりませんし、1ヶ月と1年を比べても12倍ではないでしょう。良くて3倍。

その観点からしても、出来れば1週間、遅くとも2週間以内には仕上げたいところです。それ以上粘って何か得られるものがあるならいいんですが、そこまで泥沼化しているということはもう学ぶとかそういう段階を過ぎてしまっていると思うんですよね。初めから1ヶ月とか掛けるつもりで描いているなら別ですけれども。


ネット上のお絵描き講座などでは「スピードは気にしなくてもいい、十分に時間を掛けて描こう」みたいなことが言われていますが、あれは前提があります。「そこそこの質を確保できないうちは」が言葉の前に付くのです。その段階では早くても無意味なので。

お絵描き講座はあくまで「上達するためのヒント」でしかないので、こういった営業的な要素には触れられておらず、結果としてスピードが蔑ろにされているような気がします。そうして「埋もれる実力者」が生まれているのではなかろうかと。

これまでは割と行き当たりバッタリで描いていましたけど、これからはちゃんとスケジュールを立てて絵を描くようにしよう。守れるか知らんけど…


・今週の進捗
枕シーツとの格闘記録です。先週→今週の順で。

2021-08-26_フォーミダブル_X4.jpg
先週は下塗りまででした。

2021-08-26_フォーミダブル_X5.jpg
渾身の枕&シーツ!

いかがでしょうか。特にフリルは頑張りました。本家と比べると輝きが弱いし、絵が全体的にのっぺりしているので、可能なら改善したいのですが…ちょっと無理かなぁ。

輝きはなんとかなるかもしれませんが、のっぺり感については油彩特有の絵の具感や筆感が無いことが原因なので、今の僕の知識では解決出来ません。デジタルでもそれを表現する方法はあるのでしょうが、やり方を知らないので。

調べれば分かるかもしれませんが、今後使うかどうか分からない技術だからなぁ…1日調べて分からなかったら諦める方向でやってみましょう。

何となく身体が浮いているように見えるのは陰影を調整していないからであり、仕上げる前にしっかりと接地させようと思っちょります。現状はシーツと身体の境界が明る過ぎて、物理的におかしいんですよね。本当はもっと暗くなるはずなので。

今は髪の毛に着手していて、とりあえず形だけは取ってみました。本来は髪の毛のボリュームが物凄いキャラなのでこれの2倍ぐらいは必要なんですが、リアル系の絵でそれをしてしまうと違和感バリバリですし、この辺りが限度であろうと思われます。

あとは髪と身体のハイライトを入れて、顔を描いて、陰影を調整したら終わりです。ここで一番問題になるのは顔なんだよなぁ…リアルにするべきか、デフォルメするべきか。海外の一流お絵描きさんのように中間で描けたらベストなんですが。

全部含めて来週中に決着したいですね。ここまでで58時間なので、多分75時間で完了というところかな。それで終わらなかったらどうしよう。


そんな感じで、来週も死なずに頑張りマス。
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Caelum

あかん、いきなり75時間ENDが怪しくなってきた…
無駄に長引くのでなく、ここはこうやったら良くなるというのが明確に分かっているうえで超過しそうなので悪いことじゃないが。

by Caelum (2021-09-13 05:20) 

そら

評価ってやっぱりある程度は必要ですよね。
ブログでも時々辿り着いた先にものすごーく面白い方がいらしても、niceが全く付いてないとか。私もお返しにお気を使われても申し訳ないので、静かに読ませて頂くだけだけど。ランキングって…なんでしょうね。
とてもとても素敵な方が順等な事の方が勿論多いんだけど…。誤解が生まれそうな発言は控えますw
オーロラめっちゃ素敵です。美しいです。
なんかオーロラが気になってしまって、ついついオーロラを買いに行ってしまいましたw
ほんとに綺麗。フリルもシーツの皺感も素敵。

by そら (2021-09-13 23:59) 

Caelum

>>そらさん
そうそう、知られざる面白い文章も沢山あるよね。ひと目に触れずひっそりと咲く花みたいな感じで、なんだかそっとしておきたくなる。

大体の分野において、ランキングというものは「本当にソレの出来栄えだけを評価したランキング」にはなっていないよなぁと感じる。
おいしいお店ランキングが実質的に宣伝力ランキングだったり、某所のミスコンが政治的影響力の勝負だったり。
そういったものを全て含めた「総合力ランキング」であると公言しているなら納得なんだけど、表向きは出来栄えランキングということになっているから偽りのランキングになってしまう。

結局、何らかの分野で競う人間は純粋にソレの出来栄えだけで勝負しようと考えていると勝つのが難しくなるから、勝ち残りたいのなら搦め手も使って行かねばならないというのがこの世の真実なんだよね。
僕はこれを虚しいことだと感じてしまうんだけど、虚しいと感じてしまった人には脱落の道しか残されていないから無理矢理にでも納得するしかないかなと。

>オーロラ
お、ありがとう!この中央やや左下の一番明るい部分は結構よく描けたと思う。この表現が200年前に既に存在しているということに驚くばかり。


そして論文おめでとう!成し遂げられる人ってやっぱ凄いよ、本当に尊敬する。
詳しいプロセスは知らないのだけれど「この内容には価値がある」と判断されたということの証明だよね。とても立派なトロフィーだ。
本当に凄い。よく頑張った!

by Caelum (2021-09-14 05:26) 

Caelum

とりあえず完成レベルには達したので、ここから数日足掻いてどうにもならなければ終わりの方向で。
でも鼻がなぁ…顔がアニメ顔なので鼻をしっかり描くとおかしくなるし、かといってデフォルメも結構違和感あるという地獄。最後まで悩むとするか。

by Caelum (2021-09-15 04:30) 

Caelum

出来た。これ以上は無理。
合計時間は75時間55分…76時間に足を突っ込んでいないからセーフとするか、55分オーバーしたからアウトとするか…アウトだ!
いやまぁ、1時間超過したからどうという話でもないけど。

by Caelum (2021-09-16 03:25) 

Caelum

出来たと言いつつ、結局それから15分ぐらい弄ったから完全に75時間をオーバーしたわ…でも美しく仕上がったとは思う。明らかに需要無いけど。
by Caelum (2021-09-16 03:45) 

Caelum

扇風機をつけると寒い、止めると暑い。エアコンをつけるとこれまた寒い。どうすりゃええんや…
by Caelum (2021-09-17 23:05) 

Caelum

ラフ1が出来た。ここからラフ2を作成し、色を決めてカラーラフを作り、線画を起こし、陰影を描き、彩色し、仕上げの塗り込みをするという気が遠くなるような長旅が始まる。
ああ、今のタイミングで背景も決めておかないと。いつも後で決めようとして辻褄合わせで超苦労しているので。

by Caelum (2021-09-18 01:25) 

Caelum

ラフ2が終わらぬ。でもクオリティは上がってきた。
今回は1週間じゃ描けんなぁ…2週間以内を目指そう。

by Caelum (2021-09-18 04:50) 

そら

お祝いのメッセージをありがとうございました。
お礼が遅くなってごめんなさい。
もうほんとに嬉しくて思わず記事にしちゃいましたw
諦めてたからほんとにびっくりです。
ちょっと大きな学会なので、学内審査も何度もあって大変w
しかも差し戻しされちゃって。単純な計算ミスだったんだけど、なんと!中学の数学からやり直しました。その方が早いかと思って。
でも一番早かったのは、先生に見てもらうことでしたw
こういったことも国立大学では真っ先にAIが役立つんだろうな。この単純な計算ミスが私からスタートして、何十人もの先生方がチェックしたのに、気付かないまま応募までいったんですもの。
で、学会の審査でも最終段階の査読で引っかかったんですもんね。
これが人間らしさだと思います。
いやいや、差し戻しは良かったんですけどw
人間とAIの共存って本気で考え無いといけませんよね。

ほんとはオーロラを買いに行った記事を書こうと思ったけど、今、変に炎上するのも面倒くさいですもんねw
なんかほんとに世の中の考え方が分かって、ブログって勉強になりますw
それと、私は看護師にはなれないって思いました。あの人達が全部受け止めてくださるからこそ。ですもんね。
私だったら、あんなふざけた話し聞かされたら張り倒しちゃうかもしれないw

by そら (2021-09-18 17:09) 

Caelum

>>そらさん
んむ、嬉しいことは大喜びしよう。
かなり前にちょろっと書いたけれども、喜びは人生の価値を引き上げるからね。思い切り喜んだ方がいい。

>人間とAIの共存
やはり人間である以上…というか感情のある生物である以上、完全無欠というわけにはいかないからね。そういった機械的なチェックはAIを活用して行くのがベストだろうなぁ。
感情があるからこそできること、感情が無いからこそできること、長所を活かした適材適所を考えて行かないとね。

この辺りのAI化は結構研究が進んでいて、確かネイチャーだったか何だかで数年前から試みているんじゃなかったかな。
情報を追っていないから実用化したかは分からないんだけど、やっているということは実用化するのも時間の問題なのかもしれない。(もしくは、分野によっては既に使われているのかも?)

>オーロラ
極端な人が増えてるからねぇ…増えたわけじゃなく、元々の気質が表面化しただけなのかもしれないけど。
ちょっとしたことで炎上する時代になってしまったから、自分の気持ちや考えというものは表明しない方がいい…というのは何ともアレだけど、そうなってしまっているね。
それらは親しい人との会話に留めて、記録が残らないようにした方が安心ではある。実に窮屈。

by Caelum (2021-09-19 02:24) 

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