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 [雑記]

サプリを飲んでも満足感は得られないが、とりあえず足りはする。

・今週の読書
いつものアレ。

・最近のAI情報
そろそろ振り落とされそうです。

・今週のゲーム
最終回。

ほいではずるん。


・今週の読書
今週読了した本:
AIとSF:野尻抱介など

現在読んでいる本:
皆勤の徒:酉島伝法

今後読みたい本:
正欲:朝井リョウ
少女禁区:伴名練

「AIとSF」を読了しました。先週書いた通り22名の作家が参加する短編集でしたので玉石混交なんですが、全体的には「面白い」と言って良い出来かと思います。AIをメインにしてはいるものの、前回の「AIと人類は共存できるか?」と比べると説明臭さ(というか、無理矢理AIを絡めてる感)が抑えられており、一般的な短編SFとして読むことができる作品が多かったです。(一部はアレですが)

収録内容はAmazon等で調べて頂くとして、全22編の中で僕が特に面白いと思った作品と寸評を列挙して行こうと思います。順番は収録順です。

・ゴッド・ブレス・ユー 品田 遊
亡くなった妻の記録から人格を再現したAIをシリコン製の人形に搭載する話。現在でも実現可能っちゃ可能であり、将来的にはほぼ確実に同様の事象が発生すると思われる内容でした。どちらかというと精神に重きを置く女性からするとイマイチかもしれませんが、肉体への執着を捨てることのできない男からするとかなり現実的な話。

・シークレット・プロンプト 安野貴博
これはあまりAI的な内容じゃないんですが、バリバリにAIで管理された社会における意外な抜け道を描いた話ですね。SF仕立てですが、技術的には「確かにそういったことができる可能性はあるよなぁ」と思える内容で、なかなか興味深いです。

・月下組討仏師 竹田人造
クソバカAIバトルSFです。これはなんというか…とにかく面白い。

・作麼生の鑿 飛 浩隆
AIというよりは人間の本質に迫った内容ですね。人間の「経験」とか「勘」といったものの正体って何なんですかね?AIが猛烈に発達すれば、それらもAIで再現できるようになるんですかね?みたいな。本書において最も「AIとSF」というテーマを表現している作品であり、そういった意味では一番面白い話です。

以上4編です。好みもあろうとは思いますが、これらはちょっと別格だなという感じ。この4名については、他作品も読んでみたいと思いました。

次に、僕個人としてはあまりガツンとは来なかったけれども素晴らしい出来だと思った作品を。好みの問題なので、こちらの方がガツンと来る方もいらっしゃるかと。

・没友 高山羽根子
・形態学としての病理診断の終わり 揚羽はな
・友愛決定境界 津久井五月
・智慧練糸 野﨑まど
・覚悟の一句 菅 浩江
・セルたんクライシス 野尻抱介

です。上と合わせて10編ということで、全22編のうち凡そ半分は面白いということになります。これはかなり優秀なのでは。SFが特に苦手ということでなければオススメです。

今日からは「皆勤の徒」を読んでいます。これは…Amazonレビューとかで「無茶苦茶難解だけど、内容は神」みたいな評価なんですけど、マジで難解です。少し引用します。

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序章
銀河深淵に凝った降着円盤の安定周期軌道上に、巨しく透曇な球體をなす千万の胞人が密集し、郡都をなしていた。その犇めきのなか、直径一万株を超える瓢型の連結胞人、《禦》と《闍》の威容があった。互いを呑み込もうと媒収を初めて幾星霜…
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はい、初っ端からエンジン全開ですね。意味不明です。いや、分かりますよ。なんか宇宙の彼方の超質量(ブラックホールとか)の周囲の軌道上に「胞人」なる謎の物体が集まって小銀河みたいなものを形成してるんですよね。その中でもひと際大きいひょうたん型に連結された二つの群体(禦と闍)があって、お互いに相手を飲み込もうとして争っている、と。

分かるんですが、表現が恐ろしく難解なので一発で解読するのが困難です。そういうスタイルの作風なんだなというのは理解できますが、これはしんどい。レビューでは「解説読んだ方がいい」という声も多々あり、その解説にはなんと「筋金入りのSF専門読者でも、一読して全貌を理解するのはまず不可能だろう」と書いてあるとか。いやはや…

恐らくはその「解読する」という工程もこの作品のギミックのひとつだと思いますし、一度読んではいおしまいという作品ではないということも理解しました。何度も何度も読み、一字一句しゃぶりつくして楽しむ作品なのだろうな、と。それはアリだと思います。

しかし、僕はそういうギミックを楽しめるタイプではないのでどうしたもんかなと。ある程度の難解さは覚悟していたのですが、ここまでとは…序盤で既に予想を遥かに上回っているので、完走できるか無茶苦茶不安です。いや、多分できないだろうな。

※ちなみに、少し先を読めばこの話は社会をモチーフとしていて、「胞人」とは「法人」のことであり、「媒収」とは「買収」のことであるということがわかります。決して説明が無いとか、日本語的におかしいといった類の分かり難さではなく、ちゃんと読み取れるように描かれています。あくまで読み手の脳みその問題です。


以下、AIとかの話なので畳みます。









 

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