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 [雑記]

人生は地獄よりも地獄的らしい。

・日本の人口
この国は既に詰んでいる。

・ユニバース25
人口に関する興味深い実験の記録。

・今週の読書
いつものアレ。

・今週の進捗
絵の話。いつものアレ。

ほいではドン。


・日本の人口
人口の減少が加速していますね。出生数が物凄いペースで下がっているので当たり前っちゃ当たり前なんですけれども。昨今の接触回避で…というワケでもなく、多少の例外はあれど基本的には1973年から50年近く右肩下がりです。そりゃ減るわな。

人口が減っても年齢分布が変わらなければ純粋な規模縮小に過ぎないんですが、現代はそうではありません。子供の数は凄い勢いで減るのに、平均寿命は微増の一途です。ということは、人口ピラミッドがどんどん歪になって行くということですね。

それで何が問題かというと、やっぱり労働力の減少ですよね。支えて貰う人々は増えて行くのに、支える人は減って行く。いずれは耐えられなくなって倒れるでしょうね。

超単純に考えると、毎年1年分の人間が退職し、1年分の人間が就職します。定年が65歳で新卒が22歳だとするなら、毎年65歳の人が退職して、22歳の人が就職するってことです。最近は65歳じゃ退職しないケースも増えていますが、基本的には同じです。
※以下、65歳定年として話を進めます。

退職する人数と就職する人数が同じなら、労働力は安定した状態であると言えますね。ただし、寿命の延長により「支えて貰う人」は年々増えて行きますので、それに合わせて労働力も増えて行かなくては成り立ちません。そう、寿命の延長と同じペースで出生率が上昇して行かないとピラミッドが成り立たなくなるのです。低下なんてもってのほか。

が、現状は上の通りです。寿命は延び、出生率は低下して行くばかり。これによって「必要な労働者数」と「実際の労働者数」の差は凄い勢いで開いて行くことになります。

例えば今年は2000年生まれの人が22歳になっているはずなので、その人達が就職する(した)じゃないですか。一方、1957年生まれの人達は65歳となって退職します。

1957年の出生数は1,566,713人であり、2000年の出生数は1,190,547人でした。単純計算で、今年は労働者数が376,166人減るということですね。実際には65歳で退職しない人やそれ以前に退職した人、22歳で就職しない人やそれ以前に就職した人など、様々な事情があるのでこの通りにはなりません。あくまで単純化した形です。

このように計算して行くと、今後5年で300万人、10年で550万人、15年で1,000万人、20年で1,500万人以上もの労働者が減ることになります。上の通り様々な事情があるので実際はもっと緩やかかもしれませんが、ポイントは「年々、減少数が多くなる」ということ。これが一定値(具体値は不明)を超えたとき、社会の仕組みが機能不全に陥ります。

2000年と1957年の出生数の差は上の通り37.6万人でした。同様に22歳差で比較して行くと、2005年と1962年の差は55.6万人、2010年と1967年の差は86.4万人、2015年と1972年の差は103.2万人、2020年と1977年の差は90.9万人です。

出生数は1973年(第二次ベビーブーム)をピークとして減少に進んでいますから、ここから先は出生数の差が狭まってきます。労働力の減少が緩やかになるということですね。ただし、更に年を進めると出生数の減少ペースが加速しますから、再び差は広がって行きます。とはいえ絶対数が少ないので、大したインパクトは無いでしょう

よって、2020年生まれがデビューする2042年あたりが最も厳しい状況になるはずです。「2040年問題」と言われているヤツですね。ここを乗り切れないと日本は死にます。

はっきり言ってしまえば、2040年頃の日本は若者にとっては地獄と化していると思います。これはもう避けられません。今から出生率を上げても無駄です。その子らが育つ前にその時はやってくるのだから、救世主にはなれませんよ。

そもそも、地獄に備えて貯蓄しようという考えになってしまうので出生率はもう上がりません。子育てと蓄財は両立できない国なので。更に、地獄が訪れると思われる日本に子供を送り出すなんて気の毒じゃないですか。当たり前ですが子供には幸せになって欲しいものです。幸せになれない国になるなら産まない方が…と思うのも当然です。


人口関連の数字を眺めてみると、問題が顕在化するのは2010年生まれが就職する頃と思われます。このあたりから退職者数と新卒者数の乖離が爆発的に増加するためです。つまり今から10年後、地獄の釜の蓋が開くということになりますね。ここから日本が地獄へと向かって進み始め、2040年に到着。おいでませ、地獄。

2005年から2010年にかけて生まれた子は本当に気の毒です。それ以前、あるいはそれ以降に生まれた子も気の毒ですが、この世代は特に気の毒だと思います。

なにやらよく分からない騒ぎにより貴重な青春を妨害され、大人になったら地獄が待っている。そしてその未来は変えられそうにもない。変えられる可能性があるのは、その地獄の先の未来だけ。10年後に始まるであろう地獄を変えるには時間が無さ過ぎる。

2045年ぐらいになればシンギュラリティにより労働力そのものの価値が変わってくると思われるので、地獄は解消されるのかもしれない。それまで日本が存続していれば、ですが。そうなれば2015年以降に生まれた子は救われる可能性があります。

もちろん2005年に生まれた子もまだ存命なので救われると言えるんですが、若い時間の全てを地獄で過ごしたことは変えられないので、本質的に救われたとは言い難いです。失った時は戻ってきませんからね。本当に気の毒なことです。

一応、若い移民を大勢入れて即戦力を獲得するという荒技を使えば地獄の世代も助かる可能性があります。その場合は異文化の受容や治安維持等の問題を解決する必要があり、現在の日本(政治にも、国民にも)に何とかする力があるとは思えないので多分無理ですが。


一般的には十分に発展した国は人口が減って行くので、先進国は大体同じような道を歩みます。でも多くの先進国はなんとか踏み止まっていて、イギリス・フランス・アメリカなんかは人口が増えています。とはいえ時間差で同じ道を辿るでしょう。人口予測を見ると、現代を生きている人々にはほぼ関係無いぐらい未来の話っぽいですが。

現在の数字を見る限りでは、一番最初に沈没するのは日本と韓国のどちらかでしょうね。この2国については現代人が生きているうちに沈むかもしれない。僕のようなおっさんなら逃げ切れるかもですが、若者は直撃を食らう可能性も高いのでは。

ぶっちゃけもうどうにもならないので、若者は外国語を話せるようになった方がいいですよ。最低でも英語、余裕があれば中国語も。


・ユニバース25
少子化つながりなんですが、よく「少子化は経済のせいだ!国民が貧乏だから子供を産めない!」なんて話が出ますが、アレは違いますね。中にはそういう人々も存在するでしょうけど、主原因ではないでしょう。主原因は「興味が無いから」かと。

「ユニバース25」という実験があります。デマだとか嘘実験という話もありますが、アメリカの国立医学図書館?に資料が収められているので多分本当です。多分ね。
→アメリカの国立医学図書館

どんな実験かというと…

・食料が無限に湧いてきて不自由しない
・居住スペースは十分である

という環境にネズミを入れて、どのように発展して行くかを観察するという実験です。人間で言うと「衣食住整った楽園で好きにせよ」という環境です。そりゃ繁栄しますよね。

こちらに詳細がまとめられています
→ひきポス

要約すると

1.ある時点までは順調に人口(人じゃないけど)が増えた
2.人口が増えると争いが起こり、格差が生まれた
3.異常行動(引きこもり等)をとる個体が現れた
4.人口の増加が止まり、減少に転じた
5.子供が生まれなくなった
6.滅亡

という結果になりました。滅亡といっても実際には数匹のメスが生き残ったらしく(メスだけなので繁殖不能=実質的に滅亡)、それらの個体は別の環境に移されたそうです。が、環境が変わっても異常行動をとり続け孤独に死んで行ったとか。

げっ歯類と霊長類では社会性も生活様式も違うので完全に同じ道を辿ることは無いんですけど、何となく現在の日本の状況をトレースしているような気はしますよね。

戦後、全ての国民ががむしゃらに頑張っていた頃は人口が増え続けました(1の状況)。そして生活が安定してくると格差が顕在化し(2の状況)、その状態で安定化を迎えると引きこもりやコミュニケーション拒否が目立つようになり(3の状況)、人々が交わることを避けると人口減少が加速した(4の状況)。ここまでが現代の状況ですね。

更に出生率は低下の一途を辿り、近い将来に合計特殊出生率1.0を切るでしょう。これが5の状況です。そうなればもう回復する可能性はゼロですので、自動的に滅亡します。6の状況ですね。日本人もネズミと同じ道を辿るのではないでしょうか。

結局、経済に問題があろうが無かろうが少子化は起きるし、その結果として滅亡するというのは変わらないってことです。金があっても他人に興味が無ければ子供は生まれません。

ユニバース25と日本人の違いは、世界が閉ざされているか否かです。ユニバース25では外界と遮断されていますから、子供が生まれない=滅亡は確定的でした。しかし、日本は一応外界と繋がっていますから、外へ逃げることもできるし、外から新風を呼び込むこともできます。上でも書きましたが、結局のところ滅亡を避ける手段はこれ以外に無いのでは。


なんか日本を貶めることばかり書いていますが、別にそんな意図はありません。好きですよ、日本。平和で、清潔で、概ね平等(極端な貧乏が少ない)でいいじゃないですか。僕は物騒で不潔で貧乏な子供時代を過ごしましたが、それでも外国の「物騒で不潔で貧乏」と比べたら格段に「平和で清潔で裕福」だったでしょうよ。それは日本だからこそです。

でも、僕が日本を好きかどうかというのは感情の話であって、現実とは関係無いんです。この国は沈む。そんなに遠くない未来に。データからすると、そうとしか考えられません。何か起死回生の一手がない限りは覆せないでしょう。経済は小手先で何とかできても人間は増えませんからね。命は工業製品ではないので。

こういった文章を書くことにどんな意味があるのかというと、地震予測みたいなものだと思って頂ければ。「30年以内に大地震が発生する確率はXX%」と言われて久しいですが、いつまで経っても30年以内と言っています。が、それが無意味とは言えません。

なぜなら「いつか起きる」ということを知っているだけでも備えることができるし、いざそれがやってきた時にパニックに陥る可能性(あるいは度合い)を軽減できるからです。

陰謀論なんかではないし、恐怖煽りでもありません。ただ単純に「そういうデータが公表されている」というだけです。それを見て、どう考えるかという話です。考えたうえで「大丈夫だろう」と思うならそう思っても問題はありません。

「僕は超ヤバいと思っている」というお話でした。


・今週の読書
それではいつもの読書記録です。

今週読了した本:
1Q84 - 3(前編):村上春樹
1Q84 - 3(後編):村上春樹

現在読んでいる本:
パン屋を襲う:村上春樹
Another(上巻):綾辻行人
Another(下巻):綾辻行人

今後読みたい本:
ドグラ・マグラ:夢野久作
13階段:高野和明
天使の囀り:貴志祐介
死都日本:石黒耀
砂の女:安部公房
虐殺器官:伊藤計劃
三体:劉慈欣
テスカトリポカ:佐藤究
正欲:朝井リョウ
プロジェクト・ゼロ:石川英輔
アンドロイドは電気羊の夢を見るか?:フィリップ・K・ディック
ニューロマンサー:ウィリアム・ギブスン

「1Q84」を読了しました。ノルウェイの森の下で5位かな、悪くはないのですが。「パン屋を襲う」も借りた日に読了しましたが、これはごく短い短編なので順位は付けられません。これで村上ツアーは終了ですね。「騎士団長殺し」や「アフターダーク」といった作品も有名なんですが、これらは読まないまま終わりということになります。

「Another」に取り掛かっていますが、こちらは今週中に読了予定です。この後は「Another エピソードS」「Another 2001」と続きますが、エピソードSは332ページ、2001は803ページで、合わせると1週辺りの規定ページ数(820前後)に収まりません。

両方合わせて1,135ページはオーバーし過ぎなので、来週は何か400ページ前後のもの+エピソードSで750ページ程度にして、再来週に2001にするとピッタリ合いますね。途中に別作品を挟みたくないのですが、計画ミス…というか無計画でした。

本当は今週の段階でパン屋+何か+Another(上巻)とし、来週はAnother(下巻)+エピソードS、再来週に2001とすればパーフェクトゲームでした。これは大失態。先々の予定本のページ数を調べて、ちゃんと組み立てておかないといかんですね。

内容とは関係無いんですが、Anotherの表紙イラストの眼の描き方がすごくいいですね。適度にデフォルメされていて、適度にリアル。遠田志帆さんという方の作品らしいです。


以下、絵の話なので畳みます。







 

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