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3年目が始まった [雑記]

終わりは特別だが始まりは特別ではないのかもしれん。

・THE お肉
お肉はついに新時代に突入した。

・今週の読書
いつものアレ。

・児ポ騒動
絵の話。どこまで抗うべきか。

・今週の進捗
絵の話。いつものアレ。

ほいではドドン。


・THE お肉
お肉を食べるには、動物を殺さなくてはなりません。大昔からそうでした。他の動物の命を頂く、それが「お肉を食べる」ということです。殺さなくても、ひと齧りだけさせて貰うという手もあるのかもしれません。でもそれは無茶苦茶痛いので、命を丸ごと奪うこととどちらが残酷なのかというと何とも言えません。何にしても、肉を食べるというのは何者かの痛みを伴うのです。

それが悪いことかどうかは価値観の問題なので言及しませんが、「誰も痛みを感じることなくお肉を食べることができる」というなら、それに越したことはないですよね。

ということで、今回は培養肉のお話です。簡単に言うと「お肉(と同等のモノ)を科学的に作り出せば、誰も痛みを感じなくて済むんじゃないの?」ということですね。フィクションでは割とよくある話なんですが、今やそれが実現しつつあるのです。

→イスラエルの事例
→シンガポールでは既に販売も
→日清食品&東大の事例

ハンバーグなんかに使われる挽肉については2013年ぐらいには既に成功していて、当時はハンバーガー1個あたり3,000万円ぐらいのコストが掛ったそうですが、今では500円ぐらいで作れるようになっています。大量生産できればもっと安くなるでしょうね。

しかし、ステーキ肉については未だに技術が確立していなくて、日清食品が研究しているのはその分野となります。基礎的な技術は出来ているとのことで、これが更に発展して行けばいずれは人工ステーキ肉も登場するのでしょう。やっぱり一枚肉も食べたいよね。

培養肉だと味や香りが…という心配もあるかもしれませんが、ぶっちゃけ人間の味覚・嗅覚なんてものはある程度のところまでなら結構簡単に科学的に再現できてしまうので、味に超絶こだわる人じゃなければ違いなんて分からないんじゃないかと思います。

そうなると、動物を殺す必要が「ほぼ」なくなります。なぜ「ほぼ」かというと、やはりこだわる人にとっては「本物の味」というものが必要だからです。畜産業は確実に衰退するため、本物の価格は高騰するでしょう。つまり、一部の裕福な美食家のみが本物のお肉を食べるようになるわけです。まぁ、それはそれでいいんじゃないですかね。生き物を殺してまで食べたいって人も少なくなるでしょうし。


培養肉は倫理的な面のみならず、環境面でもメリットがあります。家畜を育てるのって無茶苦茶たくさんの資源を必要とするんですよ。例えば牛肉1Kgを育てるのに必要な作物等を水換算すると2万リットル必要となるそうですが、培養肉ならその78%をカットできるとか。更に、牛が排出するメタン等の温室効果ガスも排出されなくなると言われています。

実際のところ、まだ商業路線に乗っていないので本当にそれほどの効果を出せるのかは疑わしいのですが、賢い方々の計算結果でしょうからそんなに外れてもいないのでしょう。未来は確実に資源不足の世界になるので、早く実用化できると良いですよね。


そういった技術と並行して、珍妙な技術も生まれました。なんと「空気からお肉作ろうぜ!」というドラえもんのようなお話が。いやまぁ、ちょっと誇張表現ですが。

→空気からお肉へ

二酸化炭素等を材料として、代謝物としてタンパク質を排出する微生物を使用しているそうです。クロレラみたいなものですから、技術として新しいものではないのかな。こういったアミノ酸を合成するタイプの微生物を使えば「水と空気からお肉を作る」といったこともできるでしょうし、来るべき食糧難の時代への対抗策として心強いですね。

人類は更なるステップへ。

→人肉ステーキ

そりゃまぁ、人間も動物なので培養できますよね。自分の肉を育てて自分で食べたらエコなのかなぁ…エネルギー効率を考えると全然ダメですね。この試みは人工肉への皮肉らしいんですが、それはそれとして「色んな生物のお肉を作り出せる」という可能性を示してもいますよね。つまり、冷凍マンモスのお肉を培養したマンモスステーキも作れるのでは?と。

「動物を殺さないお肉」によって倫理観は守られるかもしれませんが、それは同時に「人間が生物の組織を作り出す」ということであり、宗教観との対立を生み出すんですよね。資源の問題もありますけれども、これも解決して行かなければならない問題です。


アニメ「サイコパス」では「ハイパーオーツ」という超凄い麦から全ての食料を合成していました。成分的な話をすれば麦に含まれるモノを組み替えれば大体の食品は作れるはずですから、理屈の上では可能です。問題は、現在の技術レベルではコストとエネルギーの面で見合わないということ。「出来るかどうか」の先の問題があるんですよね。

しかし、3,000万円の培養ハンバーガーが500円になったように、技術の進歩はそれを乗り越えて行くでしょう。SF世界はすぐそこですよ。科学者の方々、マジ凄いですなぁ。


・今週の読書
いつもの読書記録です。

今週読了した本:
虐殺器官:伊藤計劃
ハーモニー:伊藤計劃

現在読んでいる本:
ドグラ・マグラ(上):夢野久作
ドグラ・マグラ(下):夢野久作

今後読みたい本:
ニューロマンサー:ウィリアム・ギブスン
砂の女:安部公房
アンドロイドは電気羊の夢を見るか?:フィリップ・K・ディック
天使の囀り:貴志祐介
プロジェクト・ゼロ:石川英輔
死都日本:石黒耀
13階段:高野和明
三体:劉慈欣
テスカトリポカ:佐藤究
正欲:朝井リョウ
チグリスとユーフラテス:新井素子
ハイペリオン:ダン・シモンズ
ハイペリオンの没落:ダン・シモンズ
エンディミオン:ダン・シモンズ
エンディミオンの覚醒:ダン・シモンズ
愛に時間を(1~3):ロバート・A・ハインライン

「虐殺器官」「ハーモニー」を読了しました。世界観はかなり作り込まれていていいですね。チョイチョイ無理筋がありますが、話のまとめ方が上手いので僕と同族の重箱野郎以外は気にならないと思います。ただし、文体が独特というか「疑問符を三点リーダーで表現する」という珍妙な文章なので、正直言ってしまうと状況が分かりにくいです。

つまりこういうことです。(僕の文章が下手とかそういうのはとりあえず関係無いので無視してください)

『後ろ手にドアを閉め、彼に約束のブツを手渡す。「毎度あり」そう言うと彼は一歩後ずさる。次の瞬間、窓の外から嵐の如き鉛の雨が降り注いだ。咄嗟に身体を伏せ、僕は難を逃れる。やれやれ、勘弁してくれよ。「これはどういうことだ…」顔を上げドアに目をやると、そこに彼の姿は無かった。』

みたいな場面があるとするじゃないですか。これって彼に対して「これはどういうことだ?」と問いかけたのか、独り言なのか分からないですよね。恐らく彼に対して言っているというのは分かりますが、なんともはっきりしない感じはします。

更に言うと、三点リーダーって言葉の抑揚が弱まって行くこと(余韻など)を示しますから、こんな緊迫した状況で使うものではないはずです。この状況なら言い切りでしょう。

表現の仕方は自由なんですが、一般的に普及している(と僕は認識している)ルールを曲げちゃっているので、そこが超絶気になりました。黒丸尚さんという翻訳家の影響とのことですが、今後読む予定の「ニューロマンサー」の訳者がこの方なので不安で一杯。

「そんな細かいことはどうでもいいんだよ!」って方は大いに楽しめると思いますが、気になっちゃう方は避けた方がいいかもしれないです。


ドグラ・マグラは諸々の事情があってまだ40ページですが、既に面白いです。凄い。1935年の本なのでさすがに表現は古いのですが、発想は凄く新しい。段々と意味不明になって行くらしいので油断はできませんが、今のところは期待度高いですね。

読みたいリストには「ハイペリオン」のシリーズと「愛に時間を」を追加しました。どちらも有名なSF作品です。そしてどちらもかなり長い作品。


以下、絵の話なので畳みます。








 

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