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 [雑記]

健康と電気代は天秤にかけられない。

・プロフェッショナル
少年よ、プロになれ。

・猫と熊
パンダではない。

・今週の読書
いつものアレ。

・今週の進捗
絵の話。いつものアレ。

ほいではどん。


・プロフェッショナル
趣味の世界では「始めるのに『遅い』は無い、やりたいと思ったらいつでも始めていい」と言いますし、それは事実。肉体を酷使するスポーツだったりすると「遅い」はあるかもしれませんが、それでも体に合わせて強度を抑えれば大体のことはできます。それで満足できるかというとまた微妙な話になってはくるのですが、考え方次第といったところ。

しかしですね、プロとなると話は別です。肉体系以外のことであれば年を取ってからでも挑めるんですけど、人間には寿命があり、年を取ったということは残り時間が少ないのです。そして、プロになるには時間が掛かるので、足りなくなる恐れがあります。ということはやはり、プロになるならば「始めるのに『遅い』はある」ということになります。

そして何より、プロになるほども好きなことであるならば残り時間が少ないことは後悔に繋がる可能性が高いです。あの葛飾北斎でさえ90歳で死ぬ間際に「あと10年…5年生き長らえたら本物の絵描きになれたのに」と言ったといわれており、やはりプロであればあるほど修練を積む時間の短さというのが心残となって行くのではなかろうかと。あと、若い頃から同じ道を歩んで来た人に嫉妬したり、なんやかんやと精神をやられるので結構アレです。

であるからして、可能な限り早くからその道に進んだ方が良いと思うのです。もちろん、出会えるかどうかは運命によるところなので、出会うのが遅かったら仕方がありません。だからこそ、若い内に出会えるように色々と経験しておきたいですね。


仮に大卒でソレを仕事として生きて行きたいとするならば12歳ぐらいまで、つまり小学校を卒業するぐらいまでには始めておきたいんじゃないでしょうか。「1万時間の法則」が正しいとは言いませんが、やっぱりそれぐらいの練習はしたいじゃないですか。であれば、1日3時間で1年1,000時間なので10年掛かるよねって話です。

もちろん分野にもよりますし、練習方法や練習態度によっても大きく変わるので、早ければ3,000時間でもプロになれる人はいますし、逆に1万時間やっても全然ダメな人もいるでしょうが、早くから取り組めばダメだった場合に別の道を模索することもできるので、その点でも有利です。遅くから始めてしまうと退路が無くなりますからね。

他にも理由があって、中学ならまだOKかもしれませんが、高校以降で始めようとするとやること・やれることが多過ぎて十分な練習時間を確保できなくなる可能性が高いですよね。勉強やバイト、友達付き合いで時間が過ぎて道を見つけることもできず、学歴のために大して興味の無い大学へ進み、学んだこととは全く関係無い職業に就く人が多いでしょう。

高校・大学でその道と出会って、強い意志を持って練習に励み、大成した人だってもちろんいるんですが、若い頃に出会った人と比べるとかなりハードモードなので出来れば避けたいところではあります。早ければ楽って訳じゃないですが、遅いのは確実に辛い。

要注意なのが楽器ですよね。ピアノは3歳、ヴァイオリンは5歳までに始めないと無理という神話もありますが、ぶっちゃけ「それぐらい難しいよ」ってだけであって10歳ぐらいから始めてプロになっている人もいます。そうは言っても幼少期から音楽や楽器に触れていることが前提になるのはほぼ間違いないので、そういった経験無しだと厳しいかも。


…という夢もクソも無い厳しい現実を子供に教えなくてはならない時代になったのではないかと思うんですよ。これからの日本はプロフェッショナル以外の価値が大きく低下すると思われますゆえ。しかし時代の問題ではないんだよなぁ、きっと。どんな時代であっても、子供に自分の未来を選ばせるためにこういうことを教えなくてはならないのではなかろうか。少なくとも、僕は教えて貰いたかったですね。

プロになるには時間が掛かる、大人になれば十分な時間を作るのは難しい、これを子供の頃に教えて貰ったうえで何もしなかった子供が大人になって後悔するのは仕方がない。でも、教えられなかった子供が後悔するのはかわいそうってもんですよ。「なんで子供の頃から練習をしてこなかったのか」と。それは絶望でしかない。

そして子供は「出会う可能性」を自力では作れないので、大人がそれを世話してくれない限りは完全に運ゲーです。たまたま出会うことに賭けるしかない。

大人は「自由に育って貰いたい」とか言いますけど、子供は自由にさせたら遊びまくるんですよ。当たり前ですよね、難しいことなんかせずに遊びたいですもん。その結果、子供の未来は本当の自由から遠ざかってしまう可能性があるってことです。

「子供がやりたいと言ったことはやらせたい」なんて言っても、子供がソレの存在を知らなきゃ「やりたい」って言えないじゃないですか。アイスホッケーを見たことの無い子供が「アイスホッケーやりたい」とは言えないですよね。知らないから。

家計の状況とかもありますから何でもかんでも経験させるってのは無理ですが、話して聞かせるならタダですよね。いろんな話を聞かせてあげて、その中で強く興味を持ったいくつかだけを経験させる方式でもいいと思うんですよね。もちろん、お金と時間に余裕のある家庭なら沢山のことを経験させてあげればいいと思います。

現在大人である人の大部分は恐らくこんな教育は受けていないし、割とテキトーに子供時代を過ごしちゃったと思うので、自分がそうだったのだから子供もそれで問題ないだろうとか考えがちなんですが、多分問題大アリなんだと思いますよ。

じゃあテメェがそういう教育してみろって言われるとすんませんって話なんですが。まぁアレですよ、そうして貰いたかった元子供からの意見ということでひとつ。


・猫と熊
中盤辺りからすごい面白い。


悲しい。
猫「うへー、今日も疲れたわー」
猫「お、嬢ちゃんええもん飲んどるやないか」
猫「ファッ!?何さらすねん!シバくでほんま」
猫「ったく…」


思わず声が出る。


・今週の読書
いつもの読書記録です。

今週読了した本:
13階段:高野和明
プロジェクト・ゼロ:石川英輔

現在読んでいる本:
アンドロイドは電気羊の夢を見るか?:フィリップ・K・ディック
チグリスとユーフラテス:新井素子

今後読みたい本:
天使の囀り:貴志祐介
死都日本:石黒耀
砂の女:安部公房
三体:劉慈欣
テスカトリポカ:佐藤究
正欲:朝井リョウ
ハイペリオン:ダン・シモンズ
ハイペリオンの没落:ダン・シモンズ
エンディミオン:ダン・シモンズ
エンディミオンの覚醒:ダン・シモンズ
愛に時間を(1~3):ロバート・A・ハインライン
ヴァーチャル・ガール:エイミー・トムスン
未来のセックス年表:坂爪真吾
墓地を見おろす家:小池真理子

「13階段」を読了しました。殺人事件を扱ったいわゆるミステリー・サスペンスで、こういった話によくあるように「いやいや、それは無いでしょ」みたいなツッコミどころは沢山あるんですが、そもそもこの作品はエンターテインメントとして作られているので、そういったツッコミは野暮というものでしょう。そんなことを言ってしまったらややこしいトリックを弄した殺人事件なんて実際には殆どありませんので。

特筆すべきは展開の上手さでしょうね。作者の方は脚本家もやっていらっしゃったようで、映画みたいなスピード感のある展開が本作のウリかと思います。2時間映画にしても面白いだろうなと思ったら、実際2003年に作られていたようです。やはり。


「プロジェクト・ゼロ」は控えめに言って神。ジャンルは違いますが「こころ」や「破戒」に並ぶ最高峰の作品です。読み終わる度に内容を忘れて何度も読みたいぐらい面白い。まだ読んでいない人が羨ましい、こんな面白い本を読む楽しみが残っているのだから。

話の展開が結構早くて、本筋に関係の薄い部分はガンガン切り捨てて進むため、読後に「アレはどうなったのだろう」と気になったりはします。もちろんテキトーに投げ捨てているワケではなく、キリの良いところで捨てるので中途半端感は一切ありませんが、細部まで気になるぐらい面白いということです。ページ数が3倍ぐらいあって、そういった細部まで描いてあったなら…と思ってしまうぐらいに。

難点があるとすれば、文章自体がそれほど洗練されているわけではないということです。もともとは技術者の方で、本業として小説家になられてから3年後の作品なのでそこはまだ研究途上だったのかもしれません。そうはいっても分かりにくいわけではないので「あえて言うなら」という程度の話です。読むうえで問題にはならないはず。

内容はなんというか「エロいプロジェクトX」みたいな。いや、話は全然エロくなくて凄く真面目なんですが、作っているのがセックス用アンドロイド(セクソイド)なので。ねっとりしたエロじゃなく、かなり技術的で爽やかな話なので構えずに読んでもらいたいなぁと思います。そういうのが特に苦手というなら避けた方がいいかもですが。

「科学技術」「開発者の苦悩」「非婚化」「性産業のあり方」といったテーマを巧みに表現していて、1988年に出版(執筆は1985年?)されたとは思えない先進的な内容となっています。劇中の年代は2020年頃と思われますが、さすがにいま実現するのは厳しいです。しかし、2060年頃には実現する可能性は大いにあると思いますね。預言書みたいな。

この本の内容について語り合える機会があるなら、多分2時間ぐらい喋りっぱなしになるんじゃないかというぐらい好きです。2時間じゃ足りんかもしれない。

残念ながら既に絶版なので、中古で買うか、図書館で借りるかしかありません。オンデマンドプリントは扱っている会社が無さそうだし、電子化もされていないので。それでも日本国民全員に…とは言いませんが、SFが好きな人には読んで貰いたいなぁ。傑作です。


そして今日からは「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」と「チグリスとユーフラテス」を読み始めました。しかし大誤算がありまして…「チグリス」が単行本サイズで500Pあるのは事前に把握していたんですが、なんと単行本なのに文庫並みの文字サイズでギッチリ書かれているという恐ろしい文章量だったんですよね。なんてこった。

普通の単行本は文字が大きくて、行間も広いじゃないですか。文庫と比べても1Pの文字数は同じぐらいか、2割多いかぐらいですよ。しかしチグリスはどう見ても2倍はあります。つまり文庫本1,000P以上の文章量ということです。

※ギッチリ系の文庫と比べると2倍も無くて1.6倍程度でした。文字が少ないタイプの文庫(手持ちだとダヴィンチ・コードや博士の愛した数式)と比べると2倍あります。

電気羊が328Pなので、合計1300P以上。僕の1週間の読書量はMAX850Pぐらいですから、1.5倍以上読まないと1週間に収まりません。沢山読むのが嫌だという意味ではなくて、1日のスケジュールが決まっているので厳しいなというところです。これから1週間はアニメの時間を潰して読書に充てるしかなさそう。


以下、絵の話なので畳みます。





 

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